仁義なき規約変更。アップルすげーな。
スラド経由で知ったアップルの仁義なき規約変更。アメリカでの話だけど、iflowreaderというアプリと、そのアプリを介して本の小売も請け負っていた会社がアップルによる規約変更で廃業に追い込まれた経緯が、その会社のホームページにあげられている。えぐい。
アップル製品まったくもっていないので間違っているかもだが、簡単に言うと多分、アップルのiBookアプリというのがどーんときて、大手出版社はそこで本を売りたい。しかし、iBookアプリで本を売るには"エージェンシーモデル"といういくつかのルールがあって、大手出版社がそれを受け入れると、同時にその影響が大手出版社から販売委託の契約をしているような小さな会社にきて、結果、彼らには絶対に儲けが残らないような契約へと変更されてしまうことになる。儲かるのは大手出版社とアップルだけ。アップルにしてみれば版権も持っていないのに、ちょっと電子ブックリーダーをつくっただけでアップルストアで簡単に儲けを出し続けるのは面白くないだろう。
昔からソニーとかアップルとか囲い込みがえげつない会社は嫌いだったので、どうでもいいんだけども、今回のはほんとにこの会社が気の毒で心痛めた。参入する前にアップルにこういう事業をするつもりだけど問題あるかと再三確認してからアプリをつくりはじめて、1.5年のアプリ開発と、多額の手数料を投入してようやく事業をはじめて3ヶ月くらいで突然の規約変更。事業計画を持ち込んだ時には、アップルのiBookアプリの計画は決まっていたはずだけど、これは未来のことなので”現時点では問題ない”といわれれば間違っていないけど、恨めしく思う気持ちはわかる。だいたいいつでもアップルストアの規約変更で、競争のルールを遅出しジャンケンで変えることが出来るんだから勝負にならない。
最近はiPhone用のアプリつくってあそんでみたいなぁなんて思ったりしたけど、マックを買わないと開発すらできないという囲い込みっぷりからして腹立たしいかったりしたが、ほんとに目が覚めた。
やっぱり、オープンソースが潔くっていいよね。コニュニティで問題があったらフォークすればいいんだしね。つーか、アップル製品はかなりの部分オープンソースで出来てるのが余計腹立たしくなってきた。これも思い出した。アップルはつかっちゃだめっていう特別条項をライセンスに入れたらどうでしょうか。
では以下に https://www.iflowreader.com/Closing.aspx から、経緯に関する部分を以下になんちゃって翻訳しました。
Why Do We Have to Shutdown?なぜ我々は撤退しなければならないのか?The crux of the matter is that Apple is now requiring us, as well as all other ebook sellers, to give them 30% of the selling price of any ebook that we sell from our iOS app. Unfortunately, because of the “agency model” that has been adopted by the largest publishers, our gross margin on ebooks after paying the wholesaler is less than 30%, which means that we would have to take a loss on all ebooks sold. This is not a sustainable business model.
問題の核心は、アップルは今、私達を含めてすべての電子ブックのショップに対して、iOSのアプリ上で販売されたすべての本について、販売価格の30%を要求していることです。残念なことに、大手の出版社が採用している"エージェンシーモデル(代理店モデル)"のため、当社の電子ブックの販売利益は出版社に支払いをした後では、販売価格の30%以下となります。つまり、どの本を売っても、売るたびに損失が出ることになります。これは持続可能なビジネスモデルではありません。
Where did the agency model come from and what is it? The agency model was created by Apple who made it a requirement for any publisher who wished to sell books through Apple’s iBooks app. The agency model has three key points:
"エージェンシーモデル"とは一体、どのようにつくられた、どんなものなのでしょうか?"エージェンシーモデル"は、アップルによって作られたもので、アップルのiBooksアプリで本を売ろうとするすべての出版社に対して義務として課せられます。"エージェンシーモデル"には3つのキーポイントがあります。
- The publisher is now the retailer of record. The company selling the eBook to the end user is an “agent” of the retailer who receives a commission on the sale.(出版社は小売店である。電子ブックを消費者に直接販売することを業務とする会社は、小売店の代理業者であり、本の販売によって販売手数料を受け取る。)
- All sales agents are required to sell books at the same retail price, which is set by the publisher. No one can sell at a different price.(代理業者は出版社によって設定された価格でのみ販売することができる。異なった価格で売ることはだれにもできない。)
- All sales agents get a 30% commission on the sale of a book. No one gets a different deal. Prior to the agency model, publishers typically offered retailers a 50% discount.(すべての販売代理店は、本の販売ごとに30%の販売手数料を得る。これ以外の手数料の設定は誰にも許されない。”エージェンシーモデル”が出来る前には、出版社は販売代理店に通常50%の割引を提供していた。)The key point here is that all sellers now get a 30% commission and Apple now wants a 30% fee, which is all of our gross margin and then some. The six largest publishers have now all adopted the agency model. These publishers account for nearly 90% of all ebooks sold. Random House was the last publisher to adopt the agency model, which they did on March 1 of this year. You may have noticed that all 17,000 Random House titles disappeared from our catalog on February 28. They appeared in Apple's iBooks catalog the following day. We, as well as all other small booksellers, have yet to complete an agency agreement with Random House. Up until February 28, these were our most profitable items because we were still getting a 50% discount on these ebooks. With an eight-hour notice, all of these titles disappeared from our store as well as the stores of all other small ebook sellers.
ここで重要な点は、すべての販売代理店は一律30%の販売手数料を得るようになった今、アップルは30%の手数料、つまり我々の儲けのすべてを要求しているということです。6つの大手出版社は現在すべて”エージェンシーモデル”を受け入れました。これら6つでほぼ90%の電子ブックを網羅します。ランダムハウスは”エージェンシーモデル”を受け入れた最後の出版社で、これは今年の3月1日に行われました。消費者の方の中には、ランダムハウスの17000の電子ブックすべてが当社のカタログから2月28日に消えたことに気づかれた方もいるかも知れません。これらの本はその次の日、アップルのiBooksアプリのカタログに登場しました。我々のような、小さな販売代理店はランダムハウスとの業務委託を解消するよりありませんでした。2月28日までは、ランダムハウスは我々のもっとも利益のあがる商品でした。なぜなら、ランダムハウスは50%の割引を我々に行っていたからです。8時間の通知期間によって、これらすべての電子ブックが当社のカタログから消えることになりました、また他のすべての小さな販売代理店からも消えました。
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