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2013年9月21日 (土)

ブラウザで文献管理してAndroidタブレットで論文読む。

文献管理ソフトJabRefをDropbox上にまるごと置くという方法で、いままで文献管理をしてきたのですが、Androidのタブレットで論文よむ機会が増えてくるとやっぱりJabRefも潮時かなぁと、ついに移行を決意しました。Zoteroを初め、Mendeley、Citeulikeと試して結局Citeulike+Dropboxという結論になったのですが、参考までに各サービスのメリット・デメリットをまとめました。

文献管理のキラーアプリとなるか? 「ReadCube」という記事を読んで知りましたが、ReadCubeというマックみたいなカッコイイ見た目の新しい文献管理ソフトがでてきた様ですが、ウェブサービスじゃなくてデスクトップ専用ソフトみたいなので今回はパスしました。Androidタブレット向けのアプリが出てきたら要チェックだと思います。)

クラウド容量はCiteulike > Mendeley > Zotero

JabRef+Dropboxの良い所はDropboxに入るだけPDFを貯めこめるところ。しかしZoteroやMendeleyのフリーで使えるクラウド容量が年々拡大されていることで、このメリットもだいぶ薄らいできました。執筆時でZoteroは300MBまではフリー、Mendeleyはなんと2GBまでフリーということでかなり素晴らしい。そしてCiteulikeはなんと無制限です。

ただし、下に書きますが、アノテーションを考えるとDropboxを使うべきなので、クラウド容量は重要でないと結論しました。

アノテーションはMendeleyが一歩先か

しかし、クラウド上にPDFを置くとちょっと困るのが黄色いマーカーでハイライトしたり、コメント書いたりというアノテーション作業。ZoteroやciteulikeではいちいちPDFをダウンロードして、編集、アップロードという流れになってしまう。その点、Mendeleyは専用のデスクトップまたはiPadアプリからPDFを開くと直接アノテーションも出来るらしい。Citeulikeの有償版のCiteulike goldだとブラウザ上でPDFを開いてアノテーションできるらしいが、これってAndroidのブラウザでも大丈夫なのだろうか?

JabRef+Dropboxで運用していたときは、ローカルのPDFに直接アノテーションしてDropboxが勝手に同期してくれるので、JabRef+Dropboxでの論文管理はとても理に適っていた。結局、モバイルでもDropboxは使えるのでPDFの保存先はDropboxにして、必ずDropbox上のファイルを編集するのが、再アップロードを避けるために必要という事になりそう。

Zotero vs. Mendeley

Zoteroはオープンソースで、色んなウェブサイトから論文のメタ情報をフェッチするフィルターが高機能。ちなみにCiteulikeもフィルターは優秀。Mendeleyは企業が作っていて、PDFのファイル内のメタ情報をフェッチするのが非常に得意だが、ウェブサイトから論文のメタ情報をとってくるのがなぜか苦手。

新サービスPaperplieはコラボレーションが得意

執筆時では来週にもβテストが終了して、一般公開する予定のPaperplieというサービスは、クラウド容量とコラボレーションが期待できる。PaperplieはGoogleDriveと統合されたサービスで、PDFはGoogleDriveに保存されるので容量は問題無い。GoogleDrive上のWriterソフトで原稿を書くと、論文の引用の挿入が簡単にできたり、同じ文章を共著者と共有して一緒に編集できたりとなかなか面白いサービス。有償だし、βテストに入れてもらえなかったので実際のところは分からないが、払う価値があるかもしれない。

個人的な結論はCiteulike+Dropbox

ZoteroはインターフェイスがJabRef見たいなインターフェイスだが、字が詰まりすぎであまり好きじゃないし、Mendeleyはウェブインターフェースが美しく行間もあって見やすくていいんだけどもすでにフリーの限度である2GB近いPDFがDropboxにあるので、将来的にPDFが増え続けても安心なようにと思いクラウド容量が無制限のCiteulikeを使い始めた。

しかし使っているうちに、Dropboxにある大量なPDFを各サービスにアップロードし直すのは大変めんどいことに気づいた。Mendeleyはこの辺りをよく考えていて、PDFファイルをソフトにドロップするだけでPDFから論文のメタ情報を抽出するエンジンが非常に強力。しかし、それでも著者名のフォーマットがジャーナルごとに不一致になってしまったり(Pubmed経由だとかなり統一される)、BibTeXからインポートしたデータベースと重複エントリーができたりできなかったりといろいろ頭が痛いことになったので、できれば避けて通りたい。

アノテーションに関してはAndroidのAcrobat ReaderですらPDFにアノテーションできてしまうので、実はMendeleyの専用アプリの強みはだいぶ薄らいでいるし、そもそもMendeley専用アプリはiPadのみでAndroid未対応だ。

ここまでの状況を整理してよく考えると、すでにDropboxに大量なPDFがあるので、そこからサクッと読みたい論文を探し出せるインターフェイスと、そこからPDF Viewerで簡単に開く方法が必要なだけであって、PDFのアップロード作業もいらないしクラウド容量も重要ではないことに気づいた。同期をDropboxに任せることでアノテーション後に再アップロードしないくていいし、これが結局一番らく。

AndroidでもBibTeX形式に対応したRefMasterというソフトがあるのだが、文献データベース自体はPC、Androidで常に同期していてほしいので、ウェブサービスが最適だと思うため却下。まあRefMasterでもBibTeX形式の文献データベースをDropbox上に置いてJabRefとシェアして同期することもできるかもしれないが、互換性がきになる。

また、新しく論文をデータベースに取り込むときは、Pubmedか各ジャーナルのウェブサイトからインポートしたいが、このフィルターはCiteulikeとZoteroが強力。Mendeleyはここでさよなら。

で、個人的にZoteroのPC版のインターフェイスに馴染めなかったので、使い勝手がPCとmobileで変わらないCiteulikeを採用。あとは、CiteulikeからDropbox上にある読みたい論文のファイルをPDFビュアーでサクッと簡単に開く方法を編み出すのみ。

PCの場合

Citeulikeの各論文のエントリーには"Notes for this article"という項目でメモを残すことができる。これはプライベートノートにすることもできるので、ここにPCのファイルのパスを書いておく(C:\Users\UserName\Dropbox\PDFs\AuthorName2013.pdfとか)。このときPDF ViewerはPDF-XChange Viewerがおすすめ。なぜならAcrobat Readerより起動・描画がとても速いし、ファイルパスの取得がFile->Copy Full File nameでクリップボードにコピーされるので楽。ファイルを開くときはPDF ViewerからFile->OpenでFile nameのところにフルパスをペーストする。

Androidの場合

Citeulikeで読む論文を見つけたら、プライベートノートのファイル名をコピーして、Dropboxのアプリから論文フォルダーに移動して、ファイル名を検索窓にペーストして論文ファイルを探すのがいまのところ一番らく。Acrobat Readerのファイルの履歴もあるし、もっといい方法がありそうだが、実質問題なし。

あとファイルを見つけやすいように、PDFのファイル名は必ず規則性のある一意的なものにするのがおすすめ。私の場合、JabRefをつかっていたのですでにDropbox上のファイル名は自動生成されたBibtexkeyになっているが、これだと第一著者+発行年(複数の論文が同じ年にある場合発行年+a,b,c)という短いファイル名なのでタイピングが少なくて済む。

PDFzenは使えるか?

ブラウザ上でPDFにコメントや印を書き込める「PDFzen」というCNETの記事を見つけたんで、追記します。サービスとしてはPDFをアップロードして、ブラウザ上でクラウド上のファイルに直接アノテーションができるということで、とっても使えそうなサービスのようです。ただし

他人に送る場合は、発行される固定URLをメールに貼り付けて送るとよい。ただしパスワードを設定する機能はない
ダウンロードすると日本語が文字化けするので、日本語を書き込んだ際の閲覧はオンライン限定

という欠点があるようです。最後の日本語に関しては研究者ならほぼ無視していいかとおもいますが、パスワードロックできないのはちょっと気になりますね。気にしなければいいだけのような気もしますが。

テキストボックスの挿入ツール、フリーハンドのドローツールのほか、注釈に使うコメントツール、ハイライトツール

とあって黄色のマーカーでハイライトしてある画像があるのでハイライトさえできれば個人的にはアノテーションはほぼ満足です。でも、ハイライターの色が2色くらいは使いたいかなぁ・・と思ったら

ネックとなるのは、これらツールにおいて、色やフォントサイズが調整できないこと。ドローツールで書ける線も黒一色で、画面上で目立たせるために、せめて赤くらいは使えるようになってほしい

とかあったので、無理かな。なかなかよさそうですが、現状では惜しいサービスという感じです。

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