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2014年4月20日 (日)

PyCon2014のトークの感想とDavid Beazleyファンクラブ設立のおしらせ

PyCon2014の公演・チュートリアルのビデオが専用サイトに大量にアップされていますね。

いつもはYouTubeのNextDayVideoのチャンネルに二週間遅れくらいでアップされてたと思いますが、今年は公式サイトが異常に早いですね。

一体ビデオいくつあるのかとおもって、ChromeでInspect elementでビデオのタイトルのクラス名をしらべて、ConsoleでjQuery(".video-summary")として拾ってみると執筆時では138ありました。トークは35分くらいで、チュートリアルの場合は3時間くらいなので、全部みるのは大変なので、見たものに関しては短い感想を書いておきますので参考にしてください。

ビデオのEmbedが許可されていないので、URLのリンクだけ面白かった・お勧め順に紹介していきます。

PyCon US 2014の公演ミニレビュー

  1. Discovering Python by David Beazley
  2. デイビッド・ビーズリーは、独特のはなし口調と、実はもと大学教授だったりする経歴、PythonとC/C++への半端ない知識と、Family Guyのピーターみたいな風貌と、いろいろと楽しいPythonコミュニティーのレジェンドです。とにかく話しが面白いので、いつもPyConとか楽しみにしているのです。 このトークでは、ソフトフェア会社間の特許の訴訟で、アドバイザーとして、弁護チームに参加したときの経験についてのお話です。 特許にあたるイノベーションが、プログラムのコードのどの部分が実装部分にあたって、それがいつ内部で開発されて、いつ製品になったのかとかを弁護士にわかるように証拠付で説明しないといけない仕事の依頼をうけたらしく、一台のPCがあるだけの牢獄のような部屋に隔離されて、訴訟相手のプロプライエタリーな1.5TBのC/C++のソースコードと格闘する数ヶ月のお話。 出たり入ったりは自由なので、閉じ込められているわけではないけども、ソフトウェアのインストール禁止なので、メディアも持ち込めないし、インターネットもないという状況で、与えられたのはXPとVisualStudio、メモ帳。こんなのでどうやって、膨大なコードを理解すればいいのかと途方にくれていたところ、コマンドラインでpythonとタイプしたらpython 2.3が起動したという奇跡。そこからunixコマンドgrepとかlsとかをPythonで実装して、ソースコードを検索するツールを作り上げて、コメントにある重要な情報の抽出したり、完全に無秩序にコピーされたいろんなバージョンが混在するソースコードを整理、カタログ化していって最後は、かなり完全なカタログができて、いろいろとクリティカルな情報を引き出して訴訟を助けたという話。面白かった。
  3. Keynote by Fernando Pérez
  4. IPythonの生みの親、フェルナンド・ペレスの基調講演。とくかく早口でたくさんの情報を詰め込んでますが、去年までと内容的にはかぶってますが、面白かった。IPyhon notebookはいまいろいろな言語のコアに移植されて、移植された言語が10になったそうで、IPyhon notebookからRも使えたりするみたいですね。おそろしや。去年はJuliaとまぜこぜの話をしていたけも。あとはBeautiful dataというブログにあるグラフを引用していて、それによるとビッグデータに関するビジネス寄りなコンファレンスStrata Conferencesの2011年から2014年の発表データを解析するとRを使用した発表が2012をピークに減少していくなか、IPythonがぐいぐいと追い抜いていって2014年のデータではRのピークを追い抜いた状況だそうです。こういう分野ではRの歴史的な優位はそう簡単に揺るがないと思っていたのでちょっと驚き。
  5. Keynote by Guido Van Rossum
  6. Pythonの生みの親Guidoも、例年通り基調講演ですが、今回は内容が薄いです。Python2.8はやりません宣言のダメ押しと、3.4つかってねアピールは例年どおりですが、numpyコミュニティーはほぼPython3への移行が完了している模様で、アカデミックな分野は本格的な移行がそろそろ始まりそうな感じらしいです。出だしで、Pythonでライブコーディングしているんですが、単純なミスを結構していて、Guidoでもべつにコーディング超うまいわけではないんだなぁという感じ。下にも書いたけどKivyをプッシュしていました。
  7. Fast Python, Slow Python by Alex Gaynor
  8. PyPyのコアデベロッパーとして有名なアレックス・ガイナーさんのトークです。半分くらい一般的なダイナミックタイピングな言語でのパフォーマンスの話でなかなかPyPyの話をしないなあと思ったら後半はやっぱりPyPyがらみのはなし。彼がかいたzero_bufferというPyhonモジュールの話が、ちょっとおもしろかった。PythonでC言語でいうmallocateみたいなバッファーで、極力コピーなしで、処理ができるようなオプティマイゼーションが可能になるらしい。使ってみたい。
  9. What is coming in Python packaging by Noah Kantrowitz
  10. Packagingと聞いてpy2exeみたいなバイナリーパッケージの話かとおもってしまったけど、distriutilとかpipとかPyPIとかの話でした。ensurepipというモジュールはpipを簡単に取ってくるためのStandard libraryで、Python3.4からeasy_install pipしなくてもpipが使えるようになったらしい。pip自体はStandard libraryではないけど、とってくるツールはPythonの一部になったという変な状況だけど、現状は劇的に改善する現実的な対処。pipはまたmatureじゃないという判断?venvというPython3.4のモジュールはvirtualenvをもとにフラッシュアップしたもので、Standard libraryらしい。PyPIがWarehouseというのに半年くらいで差し替えられる予定らしい。
  11. 2D/3D graphics with Python on mobile platforms by Niko Skrypnik
  12. 主にKivyの話です。AndoroidやiOSでもPythonで2D/3DのOpenGL ESのGUIプラグラムが書けるKivyですが、いまいちコミュニティがまだ小さくってポピュラーとはいえない状態だけども、Guidoも基調講演で一押ししていて、Pythonをモバイルに浸透させるにはKivyを盛り上げていくべきといっています。
  13. Analyzing Rap Lyrics with Python by Julie Lavoie
  14. ラップ・ミュージックの歌詞をRapgeniusというサイトからどど~んとBeautiful Soupでスクレイピングして拾ってきて、あとはreで分析してみたよって話。Julieさんはラップ・ミュージックが大好きなんだけど、女性としては、BitchとかFuckとか汚い言葉(swear、Bワード、Fワード)が多いのが気になるので、誰が一番多く使っているかとか、誰が社会的・政治的なメッセージが多いかとかして、RapにおけるSexismの分析をしている。

  • IPython in depth: high productivity interactive and parallel python by Fernando Perez
  • 3時間のチュートリアルなのでまだ、聞いていないけど、絶対に役に立つはず。

    いまいちだったトーク

    1. My big gay adventure. Making, releasing and selling an indie game made in python. by Luke Miller
    2. ゲイ向けのゲームというニッチなエリアでインディーズゲームをPyGameで開発して、販売するまでのステップについて一般的な話。もうちょっと突っ込んで具体的な話だとよかったんだけど、ウィンドウズにはpygame2exeというのを使ったそうだけど、これはPyGame用にカスタマイズされたpy2exeらしい。あとはPC向けはやっぱりSteamを狙えだそうで、なんか良く聞く話で終わってしまった。一応一人で食べていけるくらいは稼げたみたいです。
    3. Know Thy Neighbor: Scikit and the K-Nearest Neighbor Algorithm by Portia Burton
    4. とても話し慣れていて、プレゼンテーション自体は上手なんですが、高校生向けに話しているような口調がきになってしまったのと、かなり基本的なレベルを表面的になぞっていてMachine learning 101の一回目みたいな感じで終わってしまったのでボリューム的にがっかりしてしまった。K-MeansとKNNの違いを認識していなかったので、それが唯一の収穫。。。

    「David Beazleyファンクラブ」の設立のおしらせ

    参考資料:Family guyのピーター・グリフィン。

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    最後に突然ですが、「David Beazleyファンクラブ」の設立のお知らせです。ファンなので。

    今後、「David Beazleyファンクラブ」タグもブログに追加したので、随時あたらしいビーズリーネタを発見したら更新していく予定です。

    また、サイトをお持ちの方で、ファンクラブに加入したい方はコメント欄にビーズリー愛についての書き込みいただけたらば、厳正なる審査の後、リンクページでもつくって追加します(本気)ので、お気軽にお書き込みください。

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