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2014年8月 1日 (金)

2の倍数がプログラマー心をくすぐる「2048」が面白い件。パズルゲームの著作権?

2048というパズルゲームが面白くってはまっています。2と2をくっつけて4にして、4と4で8、という風に倍々にして行き、最後に2048までつくったら上がりというゲームです。3日かけてようやくクリア!

2048

攻略記事に飛ぶときはこちら

調べてみたら、日本語記事も結構あって誰が何をパクったのかもいろいろと説明があるんですが、大抵の記事ではGabriele CirulliさんがThree!をみて作ったのが2048とか、1024をみてパクったのが2048とか書いてあるんですが、実際はGabriele Cirulliさんは2048のデザインをかっこ良くしたクローンを作っただけです。一番最初に書いた日本語記事をそのまま伝聞して広まっちゃったんだと思いますが、元の英語記事をだれも読んでないのがわかります。

もともとはThrees!というゲームがあって、これを真似して出来た1024!というゲームをSamingさんという方がアレンジして出来た2048というゲームがあり、この1024!と2048の両方を遊んでハマったGabriele Cirulliさんが、自分でも作れるかなとおもって週末にさくっと2048のクローンを作って見たら、なんかそのバージョンが有名になってしまったので、Samingさんのバージョンが忘れられている状態なんですが、その辺の経緯を詳しくかいたGabriele Cirulliのブログポストが本人も板挟み状態で困っていて、とても興味深いです。

Gabriele Cirulli氏は、ゲーム制作が本職という訳ではなく、ウェブデザイナーなので、Samingさんの2048の動きをもっとスムーズにして、色やスタイルを変えたクローンをつくって、そのデザインについて意見を聞いてみたかったので、Designer Newsというサイトに投稿して数日たったら世界中で大人気になっていて、本人もわけが分からないという状況になったらしい。

でも、もともと自分のアイデアではなくって2048をつくったSamingさん、そしてそのもとになる1024とThrees!のアイデアがオリジナルなので、AndroidやiOS用にアプリを制作するのは倫理的に良くないだろうと思い、GitHubにソースコードを公開して、オープンソースコミュニティに貢献して終わりにするつもりだったけども、あっという間に何人かがGitHubのソースコードをもとにしたアプリを勝手に公開して、儲け出したのをみて、最後には自分のバージョンもスマートフォン用に公開することにするまでそうとう葛藤しています。

この人は、記事からするととっても正直な人で、倫理的に正しいことをしようとかなり頑張った様子がみえるんだけども、この人自身も、実際に真似した側で、さらに遡って1024!やThreesの開発者の気持ちはさらに怒り心頭なはずなので、なんだかだれを応援していいのかわからなくなってしまいます。

実際、Threes!をつくった開発者のブログには1024も2048も全部の真似っ子をrip-offs(盗人、横領)と呼びすてるプンプンの記事もあって、これもある意味面白い記事。真似されるのは最高の褒められ方であると物分かりの良いようなことをいいつつも、2048は上右連打していれば解けてしまうパズルゲームとして致命的に壊れているという風に腐していたり、まあかなり怒っています。その記事には、

First, it started on iOS with a game called 1024 released 21 days after Threes (February 27th).

とかあって、14ヶ月かけてつくったThrees!がリリースされたたった21日後には模倣ゲームがリリースされたらしく、さらには、

Next, came 2048 about ten days later. A game system identical to 1024 with one tweak, it removed the stones.

ときて、1024はその10日後に2048として第二はの模倣がすでに起こっているわけです。はや。

iOSやAndroid用にパズルゲームを作るのってPhonegapとか使えばちょっとウェブがわかればできてしまうくらい技術的なハードルはかなりさがってしまっているので、モラルの低い個人なんかの模倣は避けられず、Googleさんもどんどんやれという感じっぽく、だいたいにしてパズルゲームのアイデア自体には著作権も意匠性もなく保護されないという現実があり、真似されても対策できないのが、おそらく現状。

2048の模倣アプリに関しては明らかにデザインも同じなのでデザインの著作権で対策できそうだけども、Gabrieleさん自体すでにおもいっきりルールはパクったわけで、その辺をどうこうする気もない様子。

まあ、そんなものかなとも思うけども2048でGoogle Playを検索すると一番人気なのはEstoty Entertainment Labというところが作ったバージョンでスコアの位置やボードの色・スタイルなどもそのままなのをみるとGitHubのコードをPhonegapとかでラップしただけなんだなぁというのがわかり、結構悲しくなります。

GabrieleさんのバージョンのAndroidアプリは沢山の模倣アプリのなかに埋もれてなかなか見つけにくいのも悲しい。

これが、日本だとパズルアンドドラゴンズのパクリアプリが全然見当らないのをみると事情が違いそうな感じはあるなぁ。法律上はデザインさえ変えれば、日本でも模倣を止めるのは難しそうだけども。でも、信用が大事な日本社会では、法務部が頑張って凄むと折れちゃう人ばっかりなんでしょうか?それはそれで美しいけど、イノベーションもそりゃ止まるよね。

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