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2015年9月28日 (月)

自分のHDDで容量無制限なクラウドストレージLimaを試してみた。

Dropboxは便利だけど容量がたりない!Limaは自宅であまったUSBのHDDをDropboxに変えてしまうデバイスです。米アマゾンで一万二千円くらいで、Limaデバイスを買ったら、容量は自分でもっているHDD次第な一生使えるパーソナルクラウドが手に入ります。果たしてその使い勝手は?日本では使っている人はまずいないのではないか?ということで、本Blogの人柱魂で一ヶ月使ってみた感想を書いてみようと思います。

以下の長い前置きはほぼ愚痴なのでレビューへすっ飛ぶ方はこちらをクリックしてください。

なが~い前置き。

もう二年前の話ですが、KickstarterプロジェクトのLimaというパーソナルクラウドストレージのBackerになりました。Kickstarterのキャンペーンを2013年の7月に開始したときは”PLUG”という名前でしたが、登録商標の関係で8月にLimaに改名し、順調に資金を集めて、ストレッチゴールを4回くらいして当初よりも多くの資金を集めて、9月8日にプロジェクトが正式に成立。なんとワンミリオンダラー(一億円)を超える1.2ミリオンの資金を得ます。

Lima_backer

スクリーンショットにあるように当初の製品発送の予定は8ヶ月後の2014年の4月でした。

Lima_start

ただミリオンダラーの資金で逆に規模が大きくなり過ぎたことで、当初の計画を変更する判断をします。当初はPythonで作ったプロトタイプのまま、HDDにつなげる専用デバイス(Lima)だけ制作して数百人程度であろうBackerにそのまま発送する計画でしたが、一億円もあれば優秀なプログラマーを数人雇ってC言語で同じソフトをちゃんと作り直すことができます。それでパフォーマンスが改善されたDropboxなどとちゃんと競争できるような一流の製品にしてしまおうということです。Limaデバイスは小さいですし、CPUがひ弱なのでPythonではパフォーマンスがきついのはしょうが無いです。また注文がたくさん入ってしまったので少数のベータテスト用みたいな感覚では行けない状況になっちゃたわけです。

これは、考えとしては割とまともで、Pythonでプロトタイプつくって仕様を固めてテストもしっかりとしてあるなら、C言語で作り直すのは多少時間がかかってもまあ問題なくできるはずです。しかし、実際はプロトタイプでのテストが不十分(クロスプラットフォームにしたので特にMacでのテストが不十分、さらに社長がフランス人で開発者はドイツ人メインなのでアスキーコードで十分な人たちだったためUnicode関連の多言語サポートのテストが不十分)だったようで、結局バグとりに延々と時間を費やし、なんとか少人数のベータ版のテストにこぎつけたのが2014年の終わりくらい(ここでユニコードなどのバグ発覚)。そして2015年の7月になって、ようやくすべてのBackerにパブリックベータ版の製品(Pioneer kit)の発送を始め、私はようやっと2015年9月になってLimaを手にしました。

当初の予定ではファイルシステムとしての機能を持つことで、クラウドにあるファイルがローカルにあるような使い心地を目指していて、例えばケータイに1TBのHDDがついたような使い勝手になるようなのを目指していたらしい。現時点で発送になったバージョンはベータテスト用で機能が制限されているため、ほぼDropboxと同じようなサービスです。それでもLimaサーバーが自宅にある強みとして、自宅のLAN環境でのストリーミングやファイルシェアには高速なパフォーマンスが期待できるんですね。(Dropboxも同一LAN内のデバイスの同期にLAN接続を使ったりするオプション設定があります。)

キャンペーン始めてから丸二年。あまりの遅さからKickstarterのコメントには毎日のように呪いのコメントがつき、泥棒・詐欺、金返せとず~~~っと荒れておりました。それでもめげずに製品(というかまだベータ版)を世に送り出した精神力は偉いかもしれません。

当方もさすがに待ちきれずにDropboxに変わるサービスを色々と物色し、Dropbox Portable AHKからOwncloudを自宅のSynologyのNASで試して断念し、今はSynologyでTeamDriveパーソナルサーバーを運用して満足しているので、いまさらLimaは要らない状況になってしまいました。Tech系のKickstarterプロジェクトの宿命とはいえ、2年以上も待つとは思いませんでした。さすがに文句も言いたくなります。おせーーー。

とは言え、Limaでは一応自分で用意したHDDで使うことを前提にしているので容量が大きな用途(mp3やビデオ)などでもパフォーマンスが期待できるかもしれません。Owncloudを自宅のSynologyで試した結果、容量を増やしてファイルの数が増えるとMySQLデータベースのパフォーマンスが落ちていき、10GBを超える辺りから使い物にならない遅さになるという経験をしたので、パフォーマンスがかなり大事だということを知りました。まあ、Owncloudはオープンソースでフリーなのはいいんですが、高級言語のPHPでできていてるため、非力なSynologyのNASではメモリが少なすぎるし、CPUもしょぼいので荷が重いのは仕方がない。

一方、TeamDriveはC言語でバイナリーのサイズもものすごくコンパクト、同じSynologyのサーバーで動かしても、Owncloudに比べて段違いに速いです。ライセンスの関係で10GB以上は試していないですが、Owncloudは10GBでアップアップし始めていたのに比べ、TeamDriveは10GBに近づいてもまだまだサクサク動きます。

長い前置(愚痴)はさておき、Limaに100GB近く入れて試したレビューを以下どうぞ。

Limaの設置、ソフトウェアのインストール

ユーザーがアップロードしたLima開封の様子のビデオです。

Hdd1024x5591

まずは自前のUSBのハードディスクをLimaにつなぎ、LANケーブルをWi-Fiルーターに接続、あとは電源ケーブルをつなぐだけ。簡単ですね。

その後、https://install.meetlima.com/へ行き、クライエントソフトをPCにインストールします。

スクリーンの指示に従ってLimaのアカウントを設定します。特にユーザーからの情報なしで次へ次へで、このクライエントソフトウェアがいろいろな設定(ポートフォワーディングなど)を勝手ににやってくれるようです。Limaデバイスとの通信自体はP2Pなはずですが、おそらくLimaのセントラルサーバーがダイナミックDNSみたいに機能して、クライエント端末から一定でIPとかポート番号とかを通信していると思います(未確認)。

インストールの途中、ケータイのアプリのダウンロードを促されSMSでダウンロード先が送られるはずが、なんか失敗。インストール終了後にLimaのソフトから再設定としてもダメで、結局Androidケータイからhttps://install.meetlima.com/へ行ってインストールできたので、まあ問題なし。

Lima使い勝手

すごいと思ったのは大量のビデオをLimaのフォルダに入れた途端、他のデバイスからそれらのファイルが認識される点。Dropboxだとアップロードが終わるまでは他の端末からは見えないので、スピード感がある。

もちろん、実際に他の端末からビデオを見ようとするとダウンロードが始まるので、ファイルのインデックス作成を優先しているだけ。ソースになるデバイスがオンラインな限り後追いでLimaデバイスにアップロードされるが、Limaデバイスにファイルがまだ存在してない場合はソースの端末とリクエストした端末がP2Pで直接ファイルをやりとりするようで、とにかくストレスが少なくスピーディーな印象。Torrentsみたいな原理らしい。

あとは自宅にHDDがあるというのが安心感がある。クラウドサービスというとサーバーは手の届かないところで管理されている訳で、色々とサービスの提供元を信頼する必要があるし、サーバーの管理コストをユーザーが負担しないといけない。LimaはLimaのサーバーには決してデータは行かないので彼らの方ではストレージサーバーの管理をしないくていいので運営費は安いというなかなかいいアイデア。でもユーザーながら収益化はどうするのか心配になってしまう。二人いる社長のうちの一人、フランス人のSéverinさんは高齢者にパソコン操作を教える事業をしたり、手足の使えない人用のデバイスを開発してたりするらしいので、ビジネスというより慈善事業的な感覚なのかもしれない。

前書きにもちょっと書いたけど、自宅にLimaがあるということは、家にいるときはインターネット経由の必要がないので、自宅のLANネットワークのスピードの高速なメディアサーバー状態になります。SynologyとかNASを買って設置するよりも簡単だし、ケータイやタブレットから使うときのUIのデザイン・機能もLimaのほうがSynologyよりも洗練されていると思います。(追記: メディアサーバーとして同一Wi-Fiネットワークからmp3をストリーミングしてみると、う~むたまにとぎれとぎれになるので気持よく音楽聴くには多少辛いです。ローカルにコピーを置くこともできるのでそうすればもちろん問題ないですが、基本はサーバーにあるファイルがネットワークドライブの用な感じでマウントされているのでいつも通信が必要になります。)

今使っているTeamDriveも自宅サーバが置けて、しかもクライエントサイドで暗号化するので非常にセキュア。Limaは暗号化のタイミングがいつなのか調べなければ。追記、スペックのページにMilitary-grade AES, 256-bit end-to-endと書いてあるので、Limaもクライエントサイドで暗号化するようです。これはプラス。

今のところは93GBほど入れているが快適。なかなか使える。少なくともOwnCloudよりは絶対いいし、Dropboxよりもスピード感がある。容量も圧倒的にお得。公式のテストでは一台のLimaで7TBまで大丈夫だったらしい。これはすごい。私は500GBのHDDをつなげているが、あっという間に初期化完了して使いはじめることができた。Androidのケータイやタブレット、iPhoneなどからも使えるし、割りといいサービスと言えそうです。

OwncloudはケータイのAppが死ぬほど遅くて使いものにならなかったのに比べLimaのAppはとても軽快でフォルダ間の移動などサクサクで、ちゃんと使えました。一度使ったファイルはローカルに残すこともできる。出先からビデオをストリームしたら、再生まで10秒位かかりましたが、一度再生が始まるとなかなか軽快に再生していました。

出先からしばらく使っていなかったラップトップPCで同じビデオを見ようとしたらファイルが見えなかったので、PCを再起動したら全部見えるようになった。今のところはソフトがベータなのでちょっと安定性に欠けますね。TeamDrive 3はその点非常に安定しています。

149ドルでデバイスを買ったらあとはHDD以外は全くタダなので、Dropbox Proの年間99ドルで1000GBとくらべてもお得だし、現在使っているTeamDriveのサブスクリプションの年間25.2ユーロで10GBとくらべてもお得感がある。まあ、GoogleDriveならただで15GBなのでコスト的にはGoogleDriveが最強ですが、諸々の事情(Portable版があるかないか、自宅サーバ可能か?)でDropboxとGoogleDriveは個人的には候補から消えています。大抵の人はDropboxとGoogleDriveで間に合うでしょうけども。

お値段は私の場合はKickstarterのバッカー特典で79ドルでした。そのうち10ドルはアメリカからの送料だったので69ドル。定価は149ドルですが、今のところ50ドルのクーポンがアマゾンにあるようなので99ドル(1万二千円)ですね。つまり、Dropbox Proの一年分の費用99ドルで容量無制限なパーソナルクラウドを簡単に構築できるわけですね。サブスクリプションもないので、維持費は自宅の電気代とインターネット代程度です。

とっても待たされたKickstarterプロジェクトなので辛口レビューになるかと思いきや、割りと良かったというかかなりいいんじゃないでしょうかLima。Dropboxの代わりとしては十分だし、コストも魅力的。

ちょっと試したところ、AppData\Roamingにあるソフト本体をコピーして、ポータブル版として無理矢理使おうとしてもインストーラーを走らせてちゃんと設定していないPCでは使えなかったので自力でポータブル化は無理っぽいのが悲しい。そもそもLimaはドライブをマウントするのでポータブル版へのハードルは高い。私の特殊な用途(外付けUSBハードディスクからにポータブル版のクライエントソフトを起動して自宅サーバへ同期する)にはLimaは不向きで、TeamDriveを置き換えるまでには行きませんでした。でも、ランニングコストが安いDropboxの代替サービスとしては魅力的と思います。15GB以上同期したいファイルがある場合Google DriveやDropboxよりもLimaがいいかもしれません。

気になる方は米アマゾンから個人輸入して見てはいかがでしょうか?

米アマゾンへのリンクはこちら:Lima Smart & Private Cloud Device for Mac, PC, Smartphone and Tablet, Blue

ちなみにアマゾンに付いている多数の1スターレビューはKickstarterのバッカーになった人たちの呪いの言葉ですので、あまり気にしないほうがいいかと思います。Kickstarterのバッカーは契約上返金を迫れないんですが、それを理解しないでバッカーになって2年待っている間にフォースの暗黒面に落ちた人たちがたくさんいるのでアマゾンのレビューも荒れているのです。まあ気持ちはわかります。私も呪ってやりたい気分でしたから。

たしかにコメントにあるようにテクニカルサポートは遅いのかもしれませんが私は知りません。私の場合、受け取った製品が初期不良というかアメリカからの配達中に大破したので文句を言ったらあっさりタダで交換に成りました。ただし、Limaが外注委託した配送会社がミスを重ねて、交換が遅れに遅れました。でもLimaのロジスティクス担当のドイツ人スタッフはフレンドリーで英語もうまいし、レスポンスも早かったです。

私の場合、上記のようにインストールは簡単で躓いたりしませんでしたし、デバイスも安定して動いていますので、テクニカルサポートのお世話にはきっとならないでしょう。

スクリーンショットも保存してあるのでもし需要があればインストール手順など記事にするかもしれません。

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