ウイルスを殺すのは簡単。人に無害でやるのが難しいの!! 二酸化塩素「こう?えい!」
(お断り。この記事にあるのは全部宗教の話です(一番下のビデオを参照)。科学的な論議をしているように感じるかもしれませんが、これは全部宗教の教義のお話です。宗教の教義です。)
さて、いよいよこれについて書く時が来てしまった模様です。私は生物学専攻で職業研究者でありんすので一応薬がどう働くのかとか薬の副作用の怖さとか、どうやって臨床試験をするのかとかそれなりに知っている訳で、MMSを昨年の春に知ったときはそんなアホなというか、信じられなかったですね。というか論文いくつか読んだ今でも作用機序を理解できたとは思えないんだけど、安全性の方は適量を適切な濃度で取った場合は大丈夫そうだなというところまでは文献を読み進めて裏が取れました。
またバクテリアやウイルスを破壊して殺菌効果があるのは実際に水道水の殺菌などに広く工業的に使われているんだからいいんだけど、なぜ健康な細胞には無害なのか?というところが非常に疑問だったんだけど、これについてはNoszticzius et al (2013)らの論文(PLOS One)があり、細胞の物理的な体積の問題、組織の厚さの問題なのかとそれなりに理解できました(後述)。しかし、それでもじゃあ腸内細菌とか善玉菌はこれでいなくならないのか?とか疑問が残るのでむやみには使わないほうがいいなとは感じていたわけです。だから買ったはいいが、普通の風邪くらいでは自分でも試して見る気にはなれずにいて、自分で試したら記事にしようと思っていたのでなかなか記事にできないでここまで来たわけです。
しかし、新型コロナウイルスで状況が変わりました。私の住むヨーロッパでも感染者が日に日に増えて来てますし、治療薬が世の中にでるまでは多少時間がかかります。ワクチンも来年のシーズンに向けてでしょうし、いざという時用のオプションがほしいところです。
というわけで自分ではまだ試してませんが、だれでも入手可能な薬の情報は出してしまおうと。まあ安全性や効果はインターネットで英語圏の情報を私なりに調べた限りですので、あくまで自己責任でお願い申し上げます。
追記:実際に使ったという方とお話しましたが、100回くらい使ったけどいつも助けられる。吐き気があるときには使いにくい。なぜならMMSをすぐ吐いちゃうから。その他の症状ならけっこうなんでも効くらしい。
MMSとは?
まずはジョーダン・セイサ―さんの記事から箇条書きして行きましょうか。
- MMSとはmaster mineral solutionとかmiracle mineral supplementとか非常にぼかした表現でなにかを指している略語です。
- MMSのその正体(最終的な活性分子のいわゆるactivated MMS)は二酸化塩素chlorine dioxideであり化学式で書くとClO2です。
- (注:Jim Humbleの定義ではMMSはSodium Chloriteつまり亜塩素酸ナトリウムで塩酸を混ぜる前のchlorine dioxideの前駆体のことを指しています)
- ウイルス、バクテリア、がん細胞をなぜか選択的に殺します。基本的に酸化剤(大事!後述。)として働き殺菌します。
- 汚れた水から飲水を確保するための殺菌剤としてキャンプ愛好家が広く使用しています(低濃度なら飲んでも安全性ということ)。
- 米軍は炭疽症やエボラなどから身を守るために戦地では濃度高めのClO2で水を浄化したりします(濃度高めでもまだ飲める)。
- jimhumble.coのジム・ハンブル氏やProject Green Lifeを運営しているダニエル・スミス氏が飲用するといろんな感染症に効くという経験を周知活動している。すでに経験者が多数いてHIV(エイズ)が治ったと主張する人がYouTubeに多数いる。MMS HIVで検索してみて。
- ダニエルさんはあまりに効果があるMMSを広めすぎてたので製薬会社を敵に回し、裁判に負け51ヶ月禁錮となりました。
- FDA(アメリカで新薬を承認する権威のある政府機関です)はClO2は危険であるという立場で2010年と2019年に一般向けに警告しています。
うっそ臭いですよねwww
二酸化塩素の分子構造
二酸化塩素の化学式はClO2で、図にすると以下のような構造・・。
高校で化学を専攻した人ならばおわかりと思うのですが、この化学式なんか奇妙ですよね?二重結合はわかるけど、なんすかClの上の斜めの線?あまり見たことない。つーか電子数おかしくね?となりません?
食塩NaClを水に溶かすと普通イオン化して普通Na+とCl-になりますよね。酸素原子って電気陰性度高いんじゃなかったっけ?それなのに電気的にマイナスな塩素イオンが酸素2つと二重結合?中性の水のなかじゃあまりおきなそうにない変化ですね。全体的にも電子余っていて不安定に見えますね。酸化剤として使えそう?
なんて上のような雑感はウィキペディアにもはっきりと「塩素原子上に不対電子をもつ原子や分子、あるいはイオン(ラジカル)であり、反応性が高い。 」とか「塩素酸に、その他の酸を溶かして得られる。 」とか書いてあるので正しい訳ですね。つまり、あまり安定な分子ではなく、実際にMMSは使用時に酸(HCl)を混ぜて二酸化塩素を作り、活性化MMSとして新鮮な内に使用します。二酸化塩素の状態では販売していません。MMSとは酸を混ぜる前の亜塩素酸ナトリウム (Sodium chlorite)溶液のことです。亜塩素酸ナトリウムは電気的に中性で安定ですが、二酸化塩素は塩素のところの余った電子が酸化剤となる所以で、酸性の水で塩酸という二酸化塩素よりもより強い酸化剤によって酸化されてできる不安定なラジカル分子ということですね。
ウィキペディアの用途の項にも
「殺菌作用があり、殺菌目的として水を消毒するだけでなく消臭目的の消臭材などにも使われる。それだけはなくメタンの酸化目的にも使われる。パルプを製造するとき、繊維の漂白に用いられる。かつて塩素ガスが用いられていたものが置き換えられたものである。」
と書いてあるのでこの弱い酸化剤は殺菌目的に商業・工業的にもう何十年も使われてきたということがわかります。
二酸化塩素の安全性
いくら殺菌効果があるといっても、菌と一緒に飲んだ人間も殺してしまったり、飲み続けたときに発がん性があったりしては元も子もありません。二酸化塩素って飲んでも安全なんでしょうか?
ウィキペディアには
半数致死量 LD50 | 292mg/kg(ラット、経口) |
とあります。理系の生物系じゃない方に説明すると、体重1kgにつき292ミリグラムの二酸化塩素を摂取するとラットの場合は半分の個体が死ぬという値です。まあラットは普通は1kgまでには大きくなりませんので、実験によく使われるハツカネズミさんの場合(マウスですが)、体重が軽いのでたとえ50グラムの太り目の個体だったとしてもたった15mg(0.015グラム)の二酸化塩素を食べると死ぬ確率が50%ということです。怖いですねぇ。。。安全性大丈夫かぇ・・・。
一滴の水滴はだいたい20マイクロリットルですので重さにして20mgです。つまりこの15mgの二酸化塩素というのは水滴一滴より軽いほどの微量なのです。そんな量でネズミさんは死にかけるのです。
しかし、難しいもので同じウィキペディアの記事内にこんな記載も見られます。
「2008年(平成20年)、強毒性H5N1型鳥インフルエンザの人型変異とそれに起因する世界的大流行(パンデミック)への懸念から、空間消毒薬として二酸化塩素ガスが注目され、日本の経済報道番組[3]でも紹介された。それ以後も日本のプロ野球団で使用されているとスポーツ紙で取り上げられる[4]などしている。しかし、二酸化塩素の安全性は経口摂取では確認されているものの、長期間低濃度雰囲気での暴露に係る安全性の検証(毒性試験)は不安定で反応性の高いガスである為か、世界的にみても十分とはいえない状況である。」
殺菌効果を期待して二酸化塩素のガスを噴霧して街中を殺菌しようというアイデアがあるのですね。しかし、鳥インフルエンザへの緊急対処とかの短期間ならまだしも用途を広げて長期間の暴露があった場合、健康被害がないのかについては疫学的な証拠が足りないという訳です。それはそうですよね。新しいアイデアでまだ十分に試されてないんで、確かなことは誰もわからない。当たり前です。
それはいいんですけど、さらっと経口摂取では安全だと書いてありません?えっ?飲んでも安全なの?
経口摂取の安全性が確認されていると書いてあるとはいえ、文献が示されていません。ウィキペディアで文献なしでは全く話になりません。
ではちょっと文献を漁ってみましょうか。ざっとPubmed検索するとLubbers et al (1982)という論文が見つかりました。
Controlled clinical evaluations of chlorine dioxide, chlorite and chlorate in man
これ、古いのにオープンアクセスで全文読めてしまうんですが、飲用水の消毒に使われる二酸化塩素や亜塩素酸塩そして塩素酸カリウムの毒性についてヒトの臨床試験をしています。一つの論文でPhase IからIIIに相当する試験をしていてPhase Iでは健康なボランティアの方に低い濃度からどんどん濃度を上げていって毒性、副作用について検査しています。Phase IIでは消毒に十分な濃度である5 mg/Lで12週間毎日摂取してもらって毒性をみています。Phase IIIではとくに酸化ストレスに対して健康被害が想定されるglucose-6-phosphate dehydrogenaseという酵素に疾患をもつ患者さんで同様に5 mg/Lで12週間毎日摂取してもらっています。結論としてはいづれのテストでも「There were no obvious undesirable clinical sequellae noted by any of the participating subjects or by the observing medical team」ということでとくに明確な副作用はボランティアしてもらった被験者やテストをした医師とそのチームからも観測されなかったということです。これは「Physiological impact was assessed by evaluation of a battery of qualitative and quantitative tests」とあることからも単なる印象ではなく血液検査などから各種の数字を比べた上で臨床試験として意義のある結果ということです。
つまり、飲用水の消毒に使われる程度の二酸化塩素の濃度であるならば健康被害はないという結論なのですね。Phase IIで5 mg/Lという濃度に設定したということはこの濃度で飲用水の消毒ができないと論文の意義がありません。そして、水道水の消毒など商業的に使わているような濃度では安全であるというのは驚くべきではありません(そうじゃないと困る!)。人間は60kgくらいあるので50gのハツカネズミとは違って毒性のある物質もある程度は堪えられるということでもありますし、二酸化塩素はそんなに毒性ないのかもしれませんし(後述) 、飲用水の場合、二酸化塩素が気化して抜けていくのが早いので浄水場から家庭に届くまでにほぼなくなっているように思います。
とはいえ、5 mg/Lという割と安全性が確認されている濃度でもMMSは体内のHIVウイルスやバクテリアそしてがん細胞に効果があるのでしょうか?ここが残念ながら単純にはいかないので、計算と推論が必要です。
それではジム・ハンブルさんのページから必要な濃度・容量を割り出してみましょう。ジム・ハンブルさんのページではまず前駆体であるMMS溶液をつくり、それに酸を混ぜて”activated MMS”を作る過程を説明していますが、いまいちどれだけ最終的に服用したらいい量なのかがわかりにくい文章ですね。そこでこちらの宗教ビデオを見るとMMS一滴とHCL一滴と説明していますね。言われてみると、ジム・ハンブルのページにも確かに「When using these two acids in these percentages always use 1 drop of acid to 1 drop of MMS」と書いています。わかりにくいなー、比率の話かと思ったわ。
先程の水一滴は20マイクロリットルの経験則を適用すると一回服用するときにはMMS一滴つまり20マイクロリットルでいいのですね。ここから濃度というか一回に何mgを飲む必要があるのかを算出します。
ジム・ハンブルのレシピから280gの亜塩素酸ナトリウムに780gの水でつくるけど亜塩素酸ナトリウム粉末は80%粉末なので、28%じゃなくって22.4%だという話だからこれは重量%ですね。するとMMSが100mlの時に122gの重さとあるので、亜塩素酸ナトリウムの重さは122の22.4%で27.328gになる。
濃度27.328 g / 100 mlのものを20マイクロリットルだから20/1000 mlで
27.328 g / 100 ml x (20 / 1000 ml) = 5.4656 mg
つまり5.5mgほどの亜塩素酸ナトリウムから作られる二酸化塩素を一回で飲む訳ですね。1 molのNaClO2から1 molのClO2が出来るのでモル重量をみると90.44g/molと67.45g/molだから重量はまあ約2/3になる訳ですね。計算すると約4mg/Lになります。つまりMMS一滴とHCL一滴とで作った活性化MMSを一リットルの水に薄めて飲んだとすると、先程の論文でみた5 mg/Lよりちょっと薄い位になりますね。
先程の論文では5 mg/Lの溶液を朝500ml、夜500mlに分けて二回飲んでもらっているので一日の摂取量としては5 mgで同じです。しかし、さっきのビデオでは活性化MMSを大体100ml程の水で薄めて飲んでいるので濃度としては十倍と言えなくもないです。まあ濃度より絶対量の方が大事ですので、それほど慎重になる必要はありませんが、直接は比較できなくなっていることだけは指摘しておきます。しかし、個人的には朝晩に分けていたのを一気に飲んだだけなので二倍の量を一気に摂取ということですが、Phase Iの部分で24mgを摂取している実験もしているので(つまり12mgを朝に飲む)、それを踏まえると大丈夫そうだなと思います。
まあ活性化MMSをジム・ハンブルの方法で飲んだこの方の体験談としては一回目のあとは下痢になったけど大丈夫だったとあります。あとこの方は最初の4日間は解毒作用が強烈で大変だったとも。
またジム・ハンブルのFAQにもあるように体内の悪玉バクテリアを一気に殺してしまうと、死んだバクテリアからもろもろの毒素が流れ出てくるので、それによって吐き気がしたり頭痛がしたりと色々と副作用が考えられるのです。なので初めの数回はもしかしたら作った活性化MMSは全部は飲まずに1/3だけ飲むとかから始める方が無難かもしれません。
私は漢方医から処方してもらったこと何度かあるんですが、漢方薬って苦いし飲んだら一日くらいはなんか気分悪くなったり下痢したりします。毒素が抜けるときとはそういうものですし、これは仕方がないですきっと。
健康なボランティアの人が5 mg程の二酸化塩素を12週間ほど毎日飲んでも大丈夫な訳ですから安全性はかなり信頼できそうで、殺菌作用についてはこれまた実用例に枚挙があるわけでこれも大丈夫となるとMMSってかなりいけそうなんじゃないの?と思える訳ですね。
作用機序について
さて、これは私もよくわからないんですが、一つ論文を紹介します。
上述したNoszticzius et al (2013)なんですが、論文タイトルが
Chlorine Dioxide Is a Size-Selective Antimicrobial Agent
とあります。バクテリアに効く薬だけど細胞の大きさに敏感なんだよということを言っているようです。アブスト読んでみると一文目から「ClO2, the so-called “ideal biocide”, could also be applied as an antiseptic if it was understood why the solution killing microbes rapidly does not cause any harm to humans or to animals」といきなり来ます(文章変だけど)。大丈夫かそんなにぶっちゃけて?と心配になります。PLOS BiolじゃなくってPLOS Oneとはいえ、割と権威ある雑誌で有名といえば有名な雑誌ですからね。
訳すと「二酸化塩素は理想的な細胞殺傷薬であり消毒薬でもあるけどなぜ人間の動物細胞や人間の健康には被害を与えないのかは謎である。」と言い切っているわけですよ。のっけから。えっ?そんな夢のある話を事実のように語っていいの?と心配になりますが、どうやらこの論文では怪我して擦りむいたところなどにつける消毒薬として扱っていますね。飲み薬ではないという認識でどちらかというと、塗った局部から体中に広がらない性質がないと消毒薬としてはよいとは言えないとか言っています。
他にはディスカッションに
ClO2 is a strong, but a rather selective oxidizer. Unlike other oxidants it does not react (or reacts extremely slowly) with most organic compounds of a living tissue.
とあって酸化剤ではあるけど二酸化塩素はなんでも酸化するわけではなく生き物の中にみられる殆どの有機化合物とは反応しないとあります。へー。でも
ClO2 reacts rather fast, however, with cysteine [22] and methionine [34] (two sulphur containing amino acids), with tyrosine [23] and tryptophan [24] (two aromatic amino acids) and with two inorganic ions: Fe2+ and Mn2+.
ともあって、主にタンパク質と反応するようですね。しかもシステイン、メチオニン、チロシン、トリプトファンが含まれているものと速く反応するようです。
実験としてはタンパク質の膜をつくって二酸化塩素がタンパク質と反応して酸化して膜に侵食したり、拡散してどっかいっちゃったりするの両方が起こるけど、侵食の様子を理論と実験とで検証してモデルつくってみたところ、サイズの小さいものはものすごく速く破壊できるけど、大きいものほど時間がかかることが判明(直径の二乗に比例)。
皮膚の擦り傷なのを消毒するような状況を考えると二酸化塩素が気化したり、汗で体から抜け出てしまう短い時間の間でどのくらいタンパク質を破壊できるのかという視点で見てみると、小さなタンパク質とかウイルス、小さな単細胞生物(バクテリアとか。1ミクロン程度)は二酸化塩素がよってたかって取り囲んで酸化して破壊してしまうけど、ある程度大きな細胞(動物細胞。十倍は大きい)やそれが細胞組織を形成した場合これを浸透するのに時間がかかり過ぎてしまいほぼ無害になると計算できてしまうという話。つまりバクテリアの細胞膜にしかないような特殊なタンパク質とかを選択的に認識して破壊しているのではなく、単純に体積の問題だと主張しているわけですね。
あと細胞レベルで考えるのでなく、細胞が集まった組織で考えると、一気に厚さが増えるので表面にある上皮細胞とかはリスク高いでしょうが、深いところにある細胞は割と安全なのかも。実験でも数分ではタンパク質の膜を50ミクロン以上は浸透しなかったようので、皮膚の擦り傷なのを消毒するような用途を考えると安全であると結論しています。
残る疑問点
しかし、疑問なのは
(1)バクテリアの直径が1ミクロンの球だと仮定すると2.9msであっさり殺すが、直径が大きくなると直径の二乗に比例して時間がかかるという。もし20ミクロンの直径の単細胞が浮遊しているなら、約1.2秒くらいという私の計算になるので、動物細胞(もし毛細血管から浸透するなら赤血球とか)もやっぱ死ぬんじゃないの?と思ってしまうこと。しかし、臨床試験の結果はなぜか安全!!なぜだ。
(2)あと、活性化MMSはがん細胞も選択的に殺す!とよく言われているんだけど、これもよくわからない。がん細胞は大きさも見た目も健康な細胞から素人だと全く見分けつかない。直径が大事だったんじゃ???となるのですね。
(1)については、動物細胞は酸化ストレスに強いから弱い酸化剤の二酸化塩素にアミノ酸が多少傷つけられても修復するメカニズムがあるから大丈夫だけどバクテリアは酸化ストレスによわよわなのですぐ死ぬということかもしれません。動物は進化の過程で危険な酸素を摂取して食べたものを代謝をしてエネルギーを得るというバクテリアから見たらまじかよというアクロバットをしている訳ですよね。人間の体に寄生しているようなのはまず嫌気性なはずです。ウィキペディアをみると大腸菌、サルモネラ、ビブリオ、ヘリコバクター(ピロリ)は全部嫌気性です。(追記:真菌のカンジタなどは好気性。)
構造が似ているといえば似ているブリーチ(NaClO)の場合は塩素化によってタンパク質を変性させて殺菌しますが、ClO2の場合はタンパク質を酸化することでウイルスやバクテリアを殺します。もともと酸化ストレスに強い動物細胞にとっては塩素化よりもしのぎやすいということはあるでしょうね。でも、これで十分説明できたのかは自信なし。
(2)については、がん細胞を直接攻撃しているとは思いにくいので、ジム・ハンブルが言っているように悪性の細菌を除去することによって免疫力が上がり、自然に免疫細胞によってがん細胞が 除去されると考えるのが一番良さそうです。しかし、ほんとに免疫力が上がっているのか?というデータはまだ見つけられていません。体験談としてはいくらでもあるのですが。
追記。Noteの「殺菌シリーズ」の方に書きましたが、銀座東京クリニックのブログにあるようにがん細胞が活性酸素種の発生を嫌って解糖系を使っていることに注目すると他の健康な細胞よりも酸化ストレスに弱いのだろうと考えられます。なので二酸化塩素の酸化ストレスががん細胞には直接の効果があり得るかもしれません。
おまけ
ちなみに先程の二酸化塩素ガスで街を消毒しようというのは割と危ない可能性がありますね。クレベリンの大幸製薬の実験だと0.1ppmで効果あるとしているから、濃度的に大丈夫だろうけども、このPLOS Oneの論文に肺の中でガス交換するalveolar membraneは1ミクロン程度と薄いしから影響が受けやすいことを指摘している。しかし血流が多いから薄まるのも速く影響が相殺される面もあるとも言っている。
inhaling high concentration ClO2 gases for an extended time can be dangerous for human health because the alveolar membrane is extremely thin (a mere 1-2 microns and in some places even below 1 micron). The effect of ClO2 in these membranes is somewhat counterbalanced, however, by the intense blood circulation there.
最後に宗教ビデオを貼っておきます。ここに書いたのは全部宗教の話ですからね。