2018年9月 2日 (日)

ElementaryOS: ウィンドウズ10のVMをVirtioドライバでKVMに直インストール!

さてElementaryOSをインストールしたら、次はやっぱりウィンドウズ10のVMも手元にあるといいですね。ウィンドウズ10はライセンスなくてもマイクロソフトからISOをダウンロードして使いつづけられるのでウィンドウズVMとしては割といいかもしれないです。アクティベーションをしないとウィンドウズの細かいカスタマイズができない制限(例:タスクバーを上にしたいなど)がありますが、デフォルトで使い続けるのは可能のようですし、ウィンドウズアップデートもできるのでセキュリティ的にも安心。MSNにアカウント作らないといけないですが、これならウィンドウズ7を使い続ける理由がかなり減ります。

KVMのインストール

KVMでVMをつくる場合、CPUとマザーボードがKVMをサポートしてないと無理なのでまずはこれをクリアします。基本的に、kvm-okコマンドをやってOkになるようにBIOSを設定します。

素のLokiではおそらくkvm-okコマンドがないとなって

sudo apt-get install cpu-checker

をしろと言われるのでします。

で、次はこの微妙に古いUbuntu 14.04 LTS用のインストールガイドを参考にkvmをインストールします。

Lokiは16.04ベースですが、記事にもある14.04用の下のコマンド一発でインストール完了なので、記事はみなくともいいかも。

sudo apt-get install qemu-kvm qemu virt-manager virt-viewer libvirt-bin

virt-managerでGUIからVMのインストールをやっていきたいのでvirt-managerが入っています。

ウィンドウズ10のVMをvirtioドライバをつかってインストール

次はこのガイドにしたがってウィンドウズ10のVMを作ります。ガイドではコマンドラインでVMのインストールをしていますが、ここではvirt-managerでVMの制作をしてからガイドの3にもどってウィンドウズ10へvirtioドライバーの追加をします。

virtioを使わなくともウィンドウズ10のVMはつくれますが、KVMだとrawデバイスにしてもVirtualBoxより遅い感じでした。なのでKVM hypervisor用に作られたvirtioをつかって本来のパフォーマンスを得たいのですが、ウィンドウズ10のインストールディスクにはvirtioのドライバがないのが問題。しかし、上記ガイドのおかげでウィンドウズ10のインストール中にvirtioのドライバを追加する方法がわかりました。

基本的には、Fedoraが提供しているウィンドウズ用にビルド済みのバイナリがあるので、リンク先の[Stable virtio-win iso]からISOをとってきます。私が落としてきたのはvirtio-win-0.1.141.isoというファイル名でした。これをvirt-managerでウィンドウズ10のインストール開始直前にVMにCDとしてマウントして、ウィンドウズ10のインストール中にCDからvirtioのドライバをインストールしてやればよいのです。

  1. virt-managerを開いたら、File->New Virtual Machineを選び、VMの制作を開始します。

  2. 次の画面ではLocal install media (ISO image or CDROM)を選び、Forward。 01newvm

  3. 次はUse ISO imageを選び、ウィンドウズ10のisoを選択。 02newvm

  4. 適当に4GB以上のメモリとCPUコア好きなだけ割り当てる。 03newvm

  5. Select or creat custom storageを選択して、[Mange...]ボタンを押す。 04newvm

  6. プラスのボタンから新しいボリュームの制作。拙宅のインストールガイドに従った場合、/homeディレクトリは別のパーティションになっているはずだが、そうするとおそらく左側にはdefaultとDownloadsの2つのプールがあるはず。defaultは/varに置かれているのでメインのパーティションになるので、メインは貴重なSSDのパーティションだったりする場合、余裕のあるDownloadsを選択してからプラスのボタンを押して新しいボリュームを作ったほうが良いかも。 05newvm

  7. 適当にボリュームに名前をつける。私の場合、Formatをrawにした。これはIDEデバイスとしてならデフォルトのqcow2よりもrawの方が速かったからだが、今回はVirtioデバイスになるのでqcow2のままでも良いのかもしれないが試していないのでrawにしておく。ウィンドウズ10は容量結構いるので100GBくらいあげたい。あとからディスクイメージの拡張も簡単なのでケチってギリギリ20くらいでもインストールはできる。でも長く使うなら60くらいは最低欲しい。 06newvm

  8. 最後の画面で、Customize configuration before installをチェックする。ここ重要。 07newvm

  9. ここでVMの編成をインストール前にいじれるので、さっきダウンロードしたvirtioのISOをマウント(10に説明)して、さらにHDDをvirtioデバイス(11に説明)にする。 08newvm

  10. まず09の画面左下のAdd Hardwareボタンを押し、Storageを選択して、Select or creat custom storageをチェックし、virtioのISOを選択し、Device typeをCDROMにする。もともとあるCDROM 1にメディアマウントされていないっぽいのでそっちを使えばいいじゃないかと思うかもしれないが、そっちはウィンドウズ10のインストールメディアがマウントされる予定らしく開けておかないと失敗する。 09newvm

  11. IDE Disk1を選択して、Device busをIDEからVirtIOに変更しておく。 10newvm

  12. これで準備完了なので左上にある[Begin installation]を押してウィンドウズ10のインストール開始。

  13. ここからは適当に指示に従って、このガイドのステップ3にある Where do you want to install Windows?の画面まで進める。

  14. バスをIDEからVirtioに変更したので仮想HDDがウィンドウズ10からは見えなくなっているので、左下[Load driver]のボタンを押して、ウィンドウズ10にVirtioのドライバーを追加する。ここでパスは上記ガイドにあるようにviostorフォルダからWindows 8.1を選びamd64を選ぶ。ウィンドウズ10なのに8.1?と思うがそうなのだ。

  15. これでHDDが見えるようになったはずなので選択して、あとは流れでコルトナの声にびっくりしながらインストールをすすめればOk。

ちなみに

VM上では左のCtrl + AltでマウスがHostのOSへ帰ってくるので、全画面とかにした場合は、この状態で画面中央上にマウスを持って行くと全画面から脱出するアイコンが出てくる。

メモリとCPUコア数にもよりますが、VirtioにするとKVM上でのウィンドウズ10は結構パフォーマンスよい気がします。GPUパススルーとかもやってみたいですが、結構そう。

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2018年7月10日 (火)

ElementaryOSのすゝめ。インストールから日本語入力まで。

前書き

ElementaryOS LokiはUbuntu16.04ベースのMacOSのような外見のディストロであり海外ではかなり人気(ディストロウォッチ過去3ヶ月で3位、makeuseofでも好評化)。基本的にはあまりディスクトップをカスタマイズせずにそのまま使ってねという方針のディストロであり、私のようにデフォルトを気に入ったらインストール後すぐ使いはじめることができるし、再インストール時や複数のPCに同様の環境が欲しいという時に、非常に楽。私はLinux Mint(Cinnamon)だとアイコンやテーマを鬼カスタマイズしたくなってしまうが、ElementaryOSはそのまま使いたくなる。

ElementaryOSはよく考えられたデザインが本当に良い。無駄がなく統一されたシンプルなUI、デスクトップにアイコンがないスッキリ感(基本的に置けない方針)、厳選された最小限の家具がある作業場にいるような、そんなディストラクションフリーな感覚に覚える密かな興奮。これこそがElementaryOSを使う醍醐味。使うたびに嬉しくなる。ディストロはいろいろあるけど、私見では芸術作品とまで感じるのはElementaryOSだけ。

独自のデスクトップ環境Pantheonは基本的にはGNOMEベースでGtk+なのでUbuntuで動くソフト(Sublime Text 3とか)はそのままちゃんと動く。Appセンターには100を超えるElementaryOS専用のソフトと、Ubuntu用の膨大なソフトがあり、ソフトには困らない。

ElementaryOSインストール

ElementaryOSインストーラーは基本的にはUbuntuと全く同じ手順でよく、超カンタンかつ、非常に安定である。

Windowsからの移行の場合、インストール前にまずはWindows側で

diskmgmt.msc

して既存のパーティションをリサイズして、最低30-35GBくらい空ける。OSに10-15GB、スワップにメモリ分(例8GB)、/home用に12GBという計算。余裕があれば70GBくらいは欲しい。

ElementaryOSオフィシャルで、カスタムを選び0USDにしてDownload。個人的には初回インストールはただでいいと思う。試してちゃんと動いてくれて、気に入ってから払えばいい。

WindowsでUniversal USB Installerなどで落としたISOをUSBに焼く。(Step 1は下の方にElementaryがある。Step 4は0MBでも何でもオーケー。)

USBでブート、インストールを選ぶ。インストールは日本語で走らせても、日本語のインプット環境はインストールされないので結局手動でやることになる。

Installation typeのところでは一番下のSomething elseを選び、さっき空けたパーティションを3分割して、(1)Mount point ルート(/)にext4で15GB程度。(2)スワップに8GB(RAMと同じ程度)、(3)ユーザー領域(Mount pointは/homeでext4)に30GB。/homeを別のパーティションにしておくと、あとで他のディストロに浮気するときに共用できて便利なのでおすすめ。

インストーラーの最後で、/homeの暗号化を選べる。ユーザー名とパスワードを忘れるとどうあがいてもアクセスできなくなるので注意。

USBを抜いて、再起動。

日本語環境構築

日本人のユーザーも多いUbuntuやLinuxMintならおそらく嵌まらないとおもわれるが、なぜか日本では海外ほど人気がないElementaryOSでは注意が必要。ポイントは2つ。(1)IBusを削除してからfcitx-mozcを入れる。(2)fcitx-mozcはppa経由で最新版を入れる。の二点。

まっさらなインストール後の状態からelementaryos.stackexchangeの回答を見ながらmozcをインストールする。

ElementaryOS初回起動でibus自体はすでにインストールされているっぽいが、ibusのエンジンはなにも起動していないっぽい(ibus list-engineしたら Can't access to IBusといわれた)。それでもibusがfcitxと干渉するっぽいのでfcitxを入れる前にまずはIBusを削除。これをしないと2台のPCでmozcインストール後にOSが不安定になった。

sudo apt remove ibus

でおk。

再起動しろと言われるのでする。

その後、add-apt-repositoryがないと思われるのでsoftware-properties-commonをいれてから、ppaを導入。 ppaを入れなくとも古いmozcがインストールできてしまうがそっちはやたら遅いので注意。

sudo apt-get install software-properties-common
sudo add-apt-repository ppa:fcitx-team/nightly
sudo apt-get update

XenialのReleaseがないとか文句を言われるがとりあえず無視。fcitx-mozcインストール後にppaをすぐ削除する。

sudo apt-get install fcitx fcitx-config-gtk fcitx-table-all

sudo apt-get install fcitx-mozc ( fcitx-anthy は無しでよかった)

ppaを削除。

sudo add-apt-repository --remove ppa:fcitx-team/nightly

(ここでターミナルからim-configするとfcitxがすでにデフォになっているかもしれないが、その場合もちゃんとマニュアルで設定上書きしないとスクバーのfcitxのキーボードアイコンもでてこない)

ターミナルからim-configでfcitxを選び、一度logoff。これでキーボードの形のfcitxのアイコンがタスクバーにでる。このアイコン右クリックメニューからConfigureに行きmozcを追加(左下の+をクリックして、Only Show Current Languageのチェックを外してmozcを検索する)。またlogoff。デフォルトのmozcのタスクバーアイコンがElementary用ではないので、やたらでかいのでさっきのelementaryos.stackexchangeの回答の12にある手順でアイコンファイルを小さなアイコンで上書きしてやる。

sudo cp ~/Downloads/m8utEL8.png /usr/share/fcitx/mozc/icon/mozc.png

みたいな感じ。

ここで

System setting -> Language & Region

に行くとLanguage supportのインストールが完全ではないと言われるのでComplete installationすると、メニューも日本語化できる。終了。

もしppaを追加せずにsudo apt-get install fcitx-mozcした場合、多少古いバージョンのfcitx-mozcが入り、動作が遅くモサモサである。LeafPadというテキストエディタ上だけでは速い。Gtkのイベントハンドリング関係の問題か。

そういう場合、以下の手順でppa版を入れなおす。nightlyでもstableでもおっけーぽい。

1.sudo apt remove fcitx fcitx-mozc im-config

2.sudo add-apt-repository ppa:fcitx-team/stable

3.sudo apt install fcitx fcitx-mozc im-config

4.sudo apt updateでエラーになるので、ppaを削除する。

http://ppa.launchpad.net/fcitx-team/stable/ubuntu xenial Release 404 Not Found

sudo add-apt-repository --remove ppa:fcitx-team/stable

インストール後におすすめなこと

ここに随時記事を追加していく予定です。

  • ElementaryOS: ウィンドウズ10のVMをVirtioドライバでKVMに直インストール!
  • redshiftでブルーライトを軽減。目に優しく安眠
  • synergyでマウスとキーボードを複数PCで共有
  • Steam Playでウィンドウズゲームもできる
  • Linux版のSpotifyは広告少なめでかなりオススメ
  • なぜかmozcと相性が良いLeafPadエディターをインストール。サクサク打てる。
  • GoogleやFacebookの広告、トラッキングを避けるならBraveブラウザがオススメ
  • youtube-dlをapt-getし、動画のダウンロード。
  • dconf Editorで/org/pantheon/files/preferences/single-clickをFalseに
  • Google Earth Proもあるよ

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