2015年11月28日 (土)

クマムシの全遺伝情報が解読されたら17.5%がバクテリア・菌類由来。

約30年前に凍結保存されたクマムシが蘇生に成功、繁殖も(ねとらぼ)もあわせてどうぞ。

ターデグレードの全ゲノム情報が解読されて、他の動物などど遺伝子をくらべたというsciencealert発のニュースが、今日HackerNewsに流れてきたのですが、このターデグレードという動物、日本語ではクマムシというらしいですが、見た目インパクトがすごい。

こちらのビデオはいろいろエフェクトかましたCGなのですが、だいたいこんないきものです。実物は顕微鏡でみると食べたものすけすけでミジンコみたいな感じに見えます。

ターデグレードTardigrade は1mm程度の動物で、アメリカで森のなかに行くと木の幹の隙間や、苔の間などどこにでもいるそうです。毛虫みたいな形で、足に爪があるので別名ウォーターベアとも呼ばれます。

沸騰した水にいれてもも死なないとか、宇宙空間にさらしても生き残るとかものすごくタフな動物で、一体どんな進化をしたのか全く不明だそうです。宇宙から隕石にのってやってきたとしても不思議ではないという研究者も。

上のsciencealertで紹介されているゲノム解析の結果、17.5%ほどの遺伝子は親から子ではなく、ミトコンドリアみたいに進化の過程で他の生物からもたらされたという結果がでて、普通の動物では多くて1%低度しかないので、この数字がとりわけ高いのだそうです。

しかも、それらはバクテリアや菌類から持ち込まれたものだったということで、動物なのに昆虫みたいなクチクラっぽい皮膚(外骨格?)をもっていたり、タフな環境では殻をつくって冬眠したりできるのはバクテリアとかからもらった遺伝子の働きなのでしょう。

この殻をつくるときになんと自分の遺伝子を切り刻んで耐性を上げるらしく、環境が良くなって、復活するときにDNAを再構成するときに他の生き物のDNAが混じり、何らかの有利な遺伝子を獲得したのが自然淘汰を勝ち抜く感じで進化したと予想されるらしい。

すごい動物もいたもんです。

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2015年8月28日 (金)

有料ゲーム・アプリが「実質タダ」に!Amazon undergroundを試してみた

Amazonunderground

HackerNewsうぉっちのコーナーです。昨日から一斉に有名Tech系サイトが報じていますが、「Amazon Underground」という要はAmazon Appstoreの新しいバージョンみたいなAndroidアプリが登場しました。

Amazon Appstoreもしばらくは併存するようですが、いづれは統合されるのかもしれません。それくらい機能としては現時点では被っているのですが、新しい点は多数の有料アプリやゲームを「実質無料(Actually free)」でダウンロード・使用できる点です。

どういう仕組みかというと、普通のアプストアと違いAmazon UndergroundにはActually freeという新カテゴリーがあり、それに属するアプリ・ゲームはタダでダウンロードできて、ユーザーが使った時間(分刻み)に応じてAmazonからゲーム会社に支払がされるということで、ユーザーがデベロッパーに支払う部分をアマゾンが払うことで、本来は有料なアプリがユーザーにとっては実質無料で使えてしまうという仕組みです。

面白いのはアプリ内課金も対象になるということで、アイテムも買い放題になってしまうのです。ゲームバランス大丈夫だろうか・・。

アマゾンとしての旨みは自分のアプストアにたくさんのユーザーが訪れて、本や音楽などを買ってくれるというのを期待しているのでしょうか。

いやー、それにしても話がウマ過ぎます・・・。本当なのか検証してみました。

まず、Amazon Undergroundをダウンロードするアドレスはhttp://www.amazon.com/undergroundなのですが、日本のAmazon.co.jpで調べてもwww.amazon.co.jp/undergroundというアドレスには何もないので、現在は基本的にはアメリカが対象なのかもしれません。ただ、日本からAmazon.comで買い物普通にできますし、ダウンロードできるのかもしれません(未確認)が、私はいま海外にいるので、早速ためしてみました。

Google Playの規約上、ゲームをダウンロードするようなアプリは登録できませんので、「提供元不明アプリのインストールを許可」した上で、Amazonから直接ダウンロードしインストールします。アプリを起動後は、Amazon.comのアカウントでログインします。

Amazonunderground_sidemenu

メニューボタン(三)からUnderground Apps & Gamesを選びます。

Amazonunderground_category

すると実質無料のアプリ・ゲームが表示されます。

Amazonunderground_office

本来9ドル99セントのOfficeSuite Profesional 8がタダで使えます!アプリ内課金もタダ!

実際にCut the Rope 2をダウンロードして遊んでみました。

Amazonunderground_message 初期画面にはAmazon Undergroundのメーッセージがでてきます。

その後Cut the Rope 2が普通に始まりますが、普通に広告も出てきます。広告収入はどっちに行くのだろう・・。

Amazonunderground_inappitem

広告を無しにするアイテムが売っています。ということは広告収入はゲームのデベロッパーの方に行くのかな?Amazonはどうやって収入を得るのでしょうか・・・。やっぱりAmazonだけに音楽とか本をついでに買ってもらうのを期待しているのだろうか。

Amazonunderground_inappitem2

Amazon Undergroundで本当にタダで課金アイテムを入手できました!すごいですよ、これ。。。

ゴート・シミュレーターもあった!5ドルがタダです。アホくささを楽しむゲームに5ドルはきつい。が、やってみたかったので嬉しい。

Goat

ゲーム中のスクリーンショット。 Gaot_ingame

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2015年8月27日 (木)

Windows 10はプライバシーがどうのこうの

Cortanaherocopy1

久しぶりのHackerNewsうぉっちのシリーズです。こちらのリンクはWindows 10のインストール時にできるだけプライバシーを優先する手順を説明したものです。

さらにLifehackerの記事「What Windows 10's "Privacy Nightmare" Settings Actually Do」には多少これらの設定がなにをしているのか解説されています。

OSそのものがAndroid並みにスパイウェア化している

Windows 10は一ヶ月で7500万台のインストールを達成したらしいということで、Windows 8が半年で一億らしいので、すごい勢いで普及していますね。Windows 10は5.21%のシェア達成という記事もあって、Mac OS Xをすでに超えました。すごい。

まあ、「最初の一年はダタですよー」ということですでに移行した人・ぼちぼち移行する予定の人も多いと思います。私もサブマシンのWindows 8を刷新するチャンスと期待してたんですが、上のリンクのようにプライバシー関係に関する心配がアチコチから聞こえてきます。どうもOSそのものがスパイウェア化しているのではないかと心配です。

パブリッシャープレビューに参加してたので、デバックのためにいろいろな情報がマイクロソフトに送られているというのは知っていましたが、製品版ではそういうのはなくなるものと思っていたのは甘かったですね。スラドのコメントにあるように「Build 10240がそのまま正式版になって、結局IEには正式版でもフィードバックボタンがついたまま」というのは読めなかった。

検索窓に入力する情報なんかはもちろんコルトナさんに筒抜けですし、、ブラウザーの閲覧履歴なんかもマイクロソフトに送られると堂々と書いていますね。

ネットワークの接続の項目には「エラーや診断結果をマイクロソフトに送信」とあります。ネットワークって家庭用のWi-Fiとかですよね。必要あんのかなぁ・・。

パーソナライゼーションの項目にはおもいっきり、「メールのコンタクトや、カレンダー、その他の関連する情報をマイクロソフトに送信」とあります。

まあこういうのはデフォルトではOFFで、ユーザーが明示的にオプトインする形が好ましいですが、そうは問屋がおろしません。

疑問なのは上のリンク先にある手順を全部その通りやったとして、プライバシーが本当に守れるのだろうか?それはどうやって証明するのだろうか?パケットを解析すればOK?ウィンドウズアップデートとかもろもろの通常のマイクロソフトとの通信の中に暗号化されて混入させたら判らないので、ユーザーの了解なしつまり、オプトインの手順なしでは違法なのでやらないだろうと期待するしかない。でも情報というのはお金と違って減らないので罪悪感とか薄いし、罰則も実際軽いと思うので、まあ無理な話でしょ。。

案の定ちょっと調べるとこういう記事が出てくる。Windows 10はプライバシー設定をオフにしてもMicrosoftのサーバにデータを送信していることが判明

ウィンドウズも個人情報ビジネスを推進

私の予想ではマイクロソフトは「最初の一年はダタ」と言いつつ、移行を急がせつつ、結局は一般家庭用のエディションについてはほぼ確実にずっとただにする予定ではないかと思います。

Androidだってただですし、そうして普及させて、アプストアで収益をだす、広告、あるいは個人情報を提携企業にカスタマーIDとかでやや匿名化しつつ販売したり、何らかの形でお金に変えることで稼ぐというのが現代的なビジネスモデルだとおもうので、割りと自然な流れではないかと思います。

マイクロソフトがアップルと割と仲がいいのはOfficeをマックユーザーが意外に買ってくれるかららしいし、Officeはドル箱。OS自体で儲からなくともOfficeをつかってくれればいいという読みもあるだろう。

というわけで、マイクロソフトが無料のOSという免罪符を掲げ、おおっぴらに個人情報を取得する方向に舵をとったことは間違いないと思います。

私はLive.comのメールも使っているのですでにメールもカレンダーも、写真も色々とマイクロソフトと仲良く共有していますが、そういうサービスはいやなら使わなければすみますが、OSというといやなので使いませんがなかなか難しいので、なんとなくウィンドウズは聖域っぽい感じがしていたので、OSレベルでやられるとドキッとしますね。

まあ、すでに明け渡しているような情報ばっかりとも言えるし、減るものでもない。。。グーグルさんにはとっくに降伏して、Gメールが便利すぎで使うし、検索もChromeにログインしてまで使っているので、ウィンドウズ10には降伏しないぞというのも変だよな・・。

確かにまあグーグルやフェイスブック・アップル・アマゾンがやってもいいことをマイクロソフトがやっちゃダメという話はないですね。UbuntuですらUbuntu Oneとかアマゾンとの連携とかUbuntu Phoneとか暗黒面に落ちてしまったし。

でも個人的な結論はUbuntu以外のDebianベースのLinuxに数年で移行

とはいえ個人的な結論としては、真剣にLinuxを考え始めました。WindowsはWindows 7の延長サポートが切れるまで使う。あと5年。それまでに移行。

Ubuntuに一番慣れているんだけど、Ubuntuは上にも書いたようにCanonicalが最近からり怪しいので派生のMintとか、渋くDebianかな。

同じくUbuntuベースでElementary OSというマックっぽい外見ですごくかっこいいのもあるが、開発者たちが立ち上げた会社が寄付を紛らわしい形で誘導していて気持ち悪いので敬遠。

最近はOSにこだわる理由は減っている。ブラウザがあればいいことが多いし、自分が使うアプリはクロスプラットフォームなアプリが多い。PCでゲームとか全くしないし。Windows 7のサポートが切れる頃にはPCネイティブで動くアプリの重要性はさらに低くなると思われる。つーかPC使うのは仕事とほぼPythonでコーディングする時。

ちなみに、いまはクラウドにデータがある時代なのでHDDがいきなり逝ってしまってもほぼダメージがなくOS再インストールが気軽にできて便利な時代になったが、やはりDropboxやGoogleDriveは嫌なので自宅NAS上で運用しているTeamDrive Personal Serverを使っている。タダでも使えるけど私のプランは年間約25ユーロで10GB(3400円)まで使えるもの。Teamdriveはクライエントサイドで暗号化する仕様で、しかも自分でサーバー立てられるのでかなりセキュアで、とろいNASでもサクサク速いのでおすすめ。

現状報告

2016年1月現在、Linux Mintを家で使い始めました。素晴らしいです。

ツイートにあるように機械学習をしようと思うとLinuxでやるのが普通らしいので、ちょうどいい機会ということで開発環境をLinuxで構築していたら、普段家でPCでやっていることのほぼすべてLinuxで問題ないことが判明し、Windows 7全然起動しなくなりました。

プライバシー面ではDebianが一番信頼できそうなので、最初はDebianでいってみましたが、DebianはプロプライエタリなドライバーをLive CDに同梱するのは拒否しているので、予想通りWiFiのドライバーでトラブルがおこって、LANケーブルでしのぎつつ、インストール完了させたが、apt-get update後に自分のマシンでは二度前触れ無くフリーズしてしまったのであえなく撤退。

Linux MintはLive CDですでにWiFiが動くし、非常に快適だったけど、逆にNVIDIAのドライバーの不具合でインストール中にフリーズしてしまったのでGrubの起動オプションにnomodesetを追加して、インストール終了させてからドライバーアップデートしなくてはいけなかったが、その後は快適そのもの。

ウィンドウズにライセンス払うのはほんとに馬鹿馬鹿しいと感じてしまった。

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2015年6月12日 (金)

チートがバレたバイドゥの画像認識研究チームのリーダーが解雇される。

先日お伝えした「百度Baiduの研究チームが画像認識コンテストでのチートがバレてスタンフォード大ImageNetから怒られる。」という記事に書いた問題で、画像認識研究チームのリーダーであるRen Wu氏が解雇されたという記事がありました。

Ren Wu氏はHPやAMDでGPUを使った機械学習の効率的なアーキテクチャについての研究の第一線で活躍中の研究者ということですが、本人がどの程度関与したのかは不明ですが、組織的なチートを防げなかった責任者ということで尻尾切りですね。

面子を重んじる文化があるだけに間違いを認めるのは大変だと思いますが、問題が発覚してからの対応は割りといいんじゃないでしょうか。

”グーグルに画像認識で勝った”英雄だったはずなのに急な転落ですが、アカデミックじゃなく企業で研究してきた人だし、優秀そうな人なので企業への再就職は困らなそうです。

アセンブリで実装された高級言語Amber

アセンブリでモダンな高級言語を作ってみる試みを成功した過程を説明した中村晃一さんのスライドです。例によってHackerNewsに流れてきて いたのですが、そちらは英語版でしたが、こちらには日本語版を紹介しています。英語は非常にこなれていて、いろいろとグチグチ英語にうるさい当ブログも高評価です。

アセンブリで頑張ったというと最近バージョン1.0がリリースされたメヌエットOSを思い出します。メヌエットOSの方は多分全部手でアセンブリ書いてるようですが、こちらはちょっとづつ高級な言語を作っていって次の言語を実装することでブートストラップする手法だそうです。スマートですね。

私はMATLABとかPythonしかまともに使えないし、Javascriptすら覚えたくないのでJQUERYに頼ったりする高級言語とマシンパワーにおんぶにだっこ。

素人なりに、これだれかRaspberryPiとかに最適化してみるとか、中間言語でPythonを実装するとかしてもらえるとすごく面白いと思ったりしたが、C言語に 比べてどの程度アドバンテージがあるのか正直分からない。CのコンパイラをRaspberryPiのCPU向けに最適化したほうがスマートなのだろうか。

ちょっと調べたらマイクロコントローラでPython3が動いてしまうというMicroPythonというのがすでにあって、Unixに移植済みなのできっとRaspberryでも行けそう。こちらは普通にC言語でリソースの少ない環境用にCore Pythonを作りなおしている。一部標準ライブラリもついてくるようだけどそっちはPythonで実装かな。

マシン語や、C言語が使える人はすごいのう。

2015年6月 9日 (火)

moky:キーボード全面がそのままタッチパッドになる小型Bluetoothキーボードのデザインが素晴らしい件


「これは欲しい!」とかなり物欲が刺激されたINDIEGOGOのプロジェクトmokyの紹介です。TechCrunch日本語版でも紹介されています。

ビデオ見てもらえばわかりますが、赤外線レーザーでキーボード全面を走査することで指の位置を検知し、タッチパッドの機能を実現した省スペースなBluetoothキーボード兼タッチパッドです。

キーボードとタッチパッドは同時に使われることがほぼないという観察データから本製品を開発したそうで、スペースバーのさらに下のオレンジの部分中央のエリアを押している間にタッチパッドの機能が使えるようですね。なのでタイピング中にタッチパッド機能が誤作動ということもなさそうです。

二本指を立て、上下になぞってスクロールしたり、つまんで拡大縮小したりというマルチタッチの機能もサポートしています。クリックもその場でタップでできるようです。なんか何にも触れずにカーソルを動かすのがテルミンっぽいですね。なかなかなれると手放せなそうな感じがします。正直キーボードはすでに予備もあるくらいでいらないんですが、「使ってみたい」とかもっというと「使っているところを見てもらいたい」というくらい製品の魅力を高めるとアップルみたいに箔がついて眠っていた需要を掘り起こせますがそんな感じに思います。

動画の手の大きさから察するに大体横幅は24cmくらい、縦幅は12.3cmくらいと思います。私の手元のワイアレスキーボードのテンキーを除く左SHIFTキーから右カーソルまでの幅が35cm程度なので、キーの間隔が19mmフルピッチの2/3程度つまり13mmピッチくらいでしょうか。かなりコンパクトで持ち運びも良さそうですし、なによりアルミ製のボディーがかっこいいですね。

バッテリーもBluetooth4を採用することで3ヶ月もつと謳っています。PCはもちろんAndroidでも使えるそうですが、iOSではマウスサポートがないためにiPhoneなどでは今のところ使えないということです。

mokyを開発したのは韓国・ソウルをベースにするinnopressoという会社だそうで、CEOのEnyoung Choさんは元LG Electronicsのソフトウェアエンジニアを長く勤めて、著作権関連の専門家でもあるそうです。ビデオでもシャイそうな社長自ら「moky is simple and awesome... just like you!」と英語でメッセージを送っているのがほほえましいですが、プロモーションもポジティブなメッセージいっぱいでアメリカ人受けしそうで、なかなか国際感覚があっていいですね。

資金調達も目的金額をすでに超えているようですが、執筆時であと30日ほど残っているのでいち早く欲しい人はバッカー(INDIEGOGOではバッカーじゃなくファンダーというみたい)になってみてはいかがでしょう。執筆時では送料込みで69ドルのプランが残っています。発売予定は今年10月。プロモがちょっとよすぎる気もするので、ちゃんと製品化されるのかとか、KickStarterじゃなくてINDIEGOGOというのが多少気にはなりますね。素人の集まりではなく経験のあるエンジニアがCEOのようなので大丈夫とは思いますが。




2015年6月 5日 (金)

OpenCV3.0が正式リリース!ついにPython3をサポート。

とうとうきましたねー。結構かかりましたが、とうとうOpenCVのバージョン3が正式リリースになりました。目玉はPython3のサポートでしょうか。

これはぜひ試してみたいところですが、公式からダウンロードするとファイルのサイズが200MB 超えるとおもうので、いつもの通りgohkeさんのところから非公式のPythonバインディングをとってくるといいと思います。リリースがあったばかりですが、GohlkeさんはすでにOpenCVをアップデートしてました。鬼。いつもほんとに助かります。m(_ _)m

インストール方法

GohlkeさんのところからとってきたPython bindingをPython2.7でOpenCV3をインストールする例をあげます( 「OpenCV3を64bitのPython3.4で使う」も記事にしました)。わたしの場合、Pythonが32ビットなので

opencv_python-2.4.11-cp27-none-win32.whl

をダウンロードしました。拡張子がwhlなので、すでにコンパイルされたバイナリ形式のライブラリのアーカイブでeggが新しくなったものです。whlはつまりwheel、ウィール、日本語表記ではホイールで、車輪のことです。なぜ車輪かというと”車輪の再発明”から来ていると思われます。

wheelは中身は実はZIPファイルなのでもしかしたら普通に解凍できるかもしれませんが、自分でsetup.pyをせずにここはpipを使いましょう。ダウンロード先に移動して、

pip install opencv_python-2.4.11-cp27-none-win32.whl

で解凍して、setup.pyしてという一連のpipインストールの作業が行われます。pipにパスが通ってない場合Python27/Scriptsにあるバズです。


ドキュメンテーションはどこに行った?

今回のアップデートでドキュメンテーションも一新していますが、新しいドキュメンテーションはC++のAPIにしか触れていないのでPythonバインディングのcv2ではどうやったらいいのかわからなくなってしまいました。cv2.SVMがcv2.ml.SVMに移動したりといろいろ変更点もあるようですが、基本的には2.4系と変わらないようなので当面は2.4.11のドキュメンテーションを見ながら行けばいいと思います。

FAQサイトの質問を見ると人出が足りないのでcv2のAPIに関するドキュメンテーションはいつになるやらという感じですね。

help(cv2)

で出てくる大量のヘルプテキストをみるのも手です。

opencv\sources\samples\python2にあるサンプルコードをみるのも手。

バージョン移行のガイドも参考になります。

最後に公式からバージョン2.4系からの変更点をコピペしておきますね。

  • ~1500 patches, submitted as PR @ github. All our patches go the same route.
  • opencv_contrib (http://github.com/itseez/opencv_contrib) repository has been added. A lot of new functionality is there already! opencv_contrib is only compatible with 3.0/master, not 2.4. Clone the repository and use “cmake … -D OPENCV_EXTRA_MODULES_PATH=<path_to opencv_contrib/modules> …” to build opencv and opencv_contrib together.
  • a subset of Intel IPP (IPPCV) is given to us and our users free of charge, free of licensing fees, for commercial and non-commerical use. It’s used by default in x86 and x64 builds on Windows, Linux and Mac.
  • T-API (transparent API) has been introduced, this is transparent GPU acceleration layer using OpenCL. It does not add any compile-time or runtime dependency of OpenCL. When OpenCL is available, it’s detected and used, but it can be disabled at compile time or at runtime. It covers ~100 OpenCV functions. This work has been done by contract and with generous support from AMD and Intel companies.
  • ~40 OpenCV functions have been accelerated using NEON intrinsics and because these are mostly basic functions, some higher-level functions got accelerated as well.
  • There is also new OpenCV HAL layer that will simplifies creation of NEON-optimized code and that should form a base for the open-source and proprietary OpenCV accelerators.
  • The documentation is now in Doxygen: http://docs.opencv.org/master/
  • We cleaned up API of many high-level algorithms from features2d, calib3d, objdetect etc. They now follow the uniform “abstract interface – hidden implementation” pattern and make extensive use of smart pointers (Ptr<>).
  • Greatly improved and extended Python & Java bindings (also, see below on the Python bindings), newly introduced Matlab bindings (still in alpha stage).
  • Improved Android support – now OpenCV Manager is in Java and supports both 2.4 and 3.0.
  • Greatly improved WinRT support, including video capturing and multi-threading capabilities. Thanks for Microsoft team for this!
  • Big thanks to Google who funded several successive GSoC programs and let OpenCV in. The results of many successful GSoC 2013 and 2014 projects have been integrated in opencv 3.0 and opencv_contrib (earlier results are also available in OpenCV 2.4.x). We can name:
    • text detection
    • many computational photography algorithms (HDR, inpainting, edge-aware filters, superpixels, …)
    • tracking and optical flow algorithms
    • new features, including line descriptors, KAZE/AKAZE
    • general use optimization (hill climbing, linear programming)
    • greatly improved Python support, including Python 3.0 support, many new tutorials & samples on how to use OpenCV with Python.
    • 2d shape matching module and 3d surface matching module
    • RGB-D module
    • VTK-based 3D visualization module
      etc.
  • Besides Google, we enjoyed (and hope that you will enjoy too) many useful contributions from community, like:
    • biologically inspired vision module
    • DAISY features, LATCH descriptor, improved BRIEF
    • image registration module
      etc.

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2015年6月 3日 (水)

リンパ系組織が脳まで達していたという350年の常識を塗り替える新事実が判明

Lymphatic_system

Researchers Find Missing Link Between the Brain and Immune Systemという記事の紹介です。

この記事で紹介されているバージニア医学大学のチームの論文ではなんと新たに大脳皮質に到達するリンパ系組織を発見したということで、教科書が書き換わるとんでもない大発見になります。

今までの常識と矛盾点

リンパ系組織とはリンパ球や白血球などが含まれるリンパ液を作って体中に運ぶ開放循環系です。はじめに記載されたのはルドベックとバートリンが別々に出版した論文で1653年までさかのぼります。それ以来、体中にリンパ系組織が張り巡らされていることが知られていますが、脳だけは別で、どうやら免疫細胞は脳まで到達しない・できないというのが常識でした。

しかし、この常識では説明しづらい病気に中枢神経原発悪性悪性リンパ腫というのがあります。悪性リンパ腫の初発時に、脳や脊髄および眼にだけある状態です。

脳にはリンパ系組織がありません。それなのになぜ悪性リンパ腫が発生するのかまだ分かっていません。炎症などで浸潤してきたリンパ球が腫瘍化するとか、他で発生したリンパ腫が免疫学的に保護されている脳内にだけ残ったとかの説がありますが、未だ解決されていません。

上記の引用のように脳は脳血管関門で守られているのでリンパ系組織がないというのは常識で、グリア細胞などが免疫細胞の代わりの役割をはたすのだと考えられていました。

新発見

バージニア医学大学のJonathan Kipnis教授のチームは髄膜と呼ばれる脳を覆っている膜を観察していました。第一著者のアントニー(Antoine Louveau)さんによると

“There was one trick: We fixed the meninges within the skullcap, so that the tissue is secured in its physiological condition, and then we dissected it. If we had done it the other way around, it wouldn’t have worked.”

と言っていて、普通は組織を解剖して取り出してから薬品に浸して固定するわけですが、それだと解剖の過程で生きたままの時の組織構造が破壊される可能性があるので、intracardial perfusionで血管を介して薬品を浸透させることで生きたままの時の組織構造を保存して、それを注意深く解剖して膜をとりだして観察したということです。

intracardial perfusion自体はとても良く使われる方法なのでべつに取り立てて珍しいこともないですが、彼のすごいところはさらに免疫細胞を染色して髄膜を観察したということです。免疫細胞?脳で?と思ってしまいましたがもともと多発性硬化症multiple sclerosisに注目して研究していたみたいです。

するとこのアントニーさんは、染色された免疫細胞の分布がなにか管に沿って分布しているように見えたのでリンパ系組織を染色(Lyve-1を発現しているlymphatic endothelial cellsを抗体で蛍光染色)してみたところ髄膜の中を走る血管と寄り添うように走っている細いリンパ管を発見したということです。

血管とあまりに近い位置にあるため見逃しやすいことと、先程いったようにintracardial perfusionで生きたままの時の組織構造を保存しないと免疫細胞の分布のパターンはおそらく失われる可能性が高いこと、リンパ系組織も染色しないと見えないことなどなど、いろいろな条件が揃わないと見逃してしまうような構造だったので350年も見つからずにここまで来たようです。

これはノーベル賞すぐそこ。数年で取れるんじゃないでしょうか。上に上げた悪性リンパ腫や多発性硬化症など脳に起こる免疫細胞が絡んだ疾患の治療に大きく貢献するであろうことは間違いありません。今まで常識はずれなのでだれもしなかったような実験がなされるようになるでしょう。

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2015年6月 2日 (火)

百度Baiduの研究チームが画像認識コンテストでのチートがバレてスタンフォード大ImageNetから怒られる。

スタンフォード大がやっているLarge Scale Visual Recognition Challengeという画像認識のアルゴリズムや機械の性能を競い合うコンペティションがありますが、中国の検索サービス大手の百度バイドゥのBaidu Heterogeneous Computing Teamが開発したアルゴリズムをテストするためにサーバーへアクセスする上限の一週間に2回という規定を大きく超えるアクセスをしたとしてペナルティを課されたというアナウンスがありました。

続報:「チートがバレたバイドゥの画像認識研究チームのリーダーが解雇される。

Baidudeepimage

このBaiduのチームはアカウントを40個ほどつくることで、この上限を回避して合計200回以上、多い時で5日間で40回ものアクセスをして、自身のアルゴリズムをテスト、修正を繰り返すことで、コンペティションに使われるデータセットに最適化し、高い成績を得てarxiv.orgへ論文を投稿したということのようです。

Waifu2x元論文も中国のチームからのarxiv.orgの論文でしたが、問題になったアルゴリズムDeep Imageの論文もarxiv.orgですね。

どうやら百度のスパコンが画像認識でGoogleを追い抜くで紹介されているシステムのことのようですね。

機械学習ではオーバーフィッティングという問題があって、特定のデータセットに最適化しすぎてしまうと新しいデータセットには応用が効かずにパフォーマンスがガタッと落ちてしまうという問題があります。一般的に使える有用性の高いアルゴリズムを作るにはオーバーフィッティングを避けるのが重要でここが難しいところでもあります。

逆にいうとコンペティション用のテストデータが手元にあればそれに対してオーバーフィッティングすることで見かけの成績を簡単に上げることができます。今回のはテストを繰り返すことでコンペティション用のテストデータにオーバーフィッティングするのにかなり近いアプローチなので、見かけの成績は上がりますが汎用性は疑問です。コンペティションの趣旨から逸脱した、いわゆるチート行為ですね。さすがにちょっとやり過ぎてしまったという感じです。きっと社内のプレッシャーに負けてちょっとズルをしてしまったのでしょう。バレた時のダメージを考えるとアカデミックな環境では起きにくいでしょう。図を見てもらえば彼らからのサブミッションがいかに突出しているかわかりますね。

Baiduで画像検索すると検索結果に彼らのアルゴリズムが使われているかもしれないと考えると面白いですね。

Baiduチームの方も批判をあっさりと認めて平謝りして、ImageNetのプレスリリースにすでに謝罪のメールが入っているので、一応本件は落着済みで、12ヶ月の使用禁止を食らっていますが、完全に追い出されたりということはないようです。再発がないといいですが。

主催者側が今回は気がついたのでよかったですが、それやっちゃ意味ないという禁じ手をまさか本当にやってくるチームがあるとは驚きだったと思います。

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2015年5月28日 (木)

waifu2xを手軽に使えるユーザーインターフェイスが登場

窓の杜に人工知能を駆使して高品質に画像を拡大する“waifu2x”をローカルで扱えるGUIツールという記事があがっていました。

ウェブサービスの方は人気で重くなっているそうなので、こちらのツールを使えばウィンドウズから手軽にwaifu2xを自分のパソコンで試せます。

Gui4waifu2x

紹介されているwaifu2x_win_koroshellではドラッグ&ドロップするだけで拡大できます。

元のwaifu2xはReadmeを読む限りUbuntuでLuaのスクリプトを走らせるという初心者にはやたら高いハードルがあったので、とってもいいのではないでしょうか。

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しろののツイッタータイムライン

  • ツイッターは5つ目も凍結されました。6つ目での復活も不可能。なのでnoteに注力しています。

    と思ったら、イーロン・マスクの買収が公になってアカウントが復活できました。ありがとうマスク。

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